けい ページ2
母「声だけで起こすより効果的でしょ」
なんて、にっこり笑う母さん。
だからって棒で起こさなくても……。
慧「結構、痛いんですけど」
母「そんな事より見て！」
俺の抗議をそんな事呼ばわりして、母さんは俺の前にあるミドルコンピュータを操作した。
モニターに画面が映る。
慧「もしかして、あれ。実ってるのか！？」
モニターに映るのは幾つかの食物。
そこには色んな野菜が実を膨らませている。
母「そうよ〜。さっき、覗いたら、野菜が出来ていたの。それで慧に、いの一番で知らせに来たのよ。どう！目が覚めた？」
慧「覚めた！覚めた！見に行こう」
母「行きましょう！皆で」
お互い、グッとサインを交わすと、俺と母さんは他の研究仲間を呼びに行った。
ただ野菜が実っているだけなら、こんなに喜びはしない。
この野菜は俺達、研究チームの成果なんだ。
俺と母さんが所属している研究チームは『生命エネルギー』について。
地球で人間が生きていく為の『生命エネルギーを人工的に作ろう』それが俺達の研究。
これはその第1段階。
まずは地球の自然エネルギーを使って、親となる野菜を1年枯らさないようにした。
その親となる野菜から大量の野菜を作りあげる。
何年もかかって、やっと野菜の大量生産ができるようになった。
俺は自然エネルギーで出来た野菜を実際に目で見て、手に取り、母さんと研究仲間と共に喜びを分かち合った。
そこで俺は現実に引き戻された。
目が覚めると遮光モードの窓が少しだけ明るい。
慧「朝…か」
懐かしい夢を見た。
初めて、皆の努力が実った日の夢。
あれから、研究は次々と成功していったっけ。
俺は体を起こすとパソコンの電源を入れて、両親の最後のメッセージを再生した。
母『私の唯一の心残りは研究が最後まで出来なかった事。研究仲間はもう誰もいない。研究都市に行けないから研究をする事も出来ない。慧。とても大変で重荷になるのを承知で言うわね。お願い。研究の続きをして、成功させてほしい』
母さんは本当に大変な事を最後に願った。
研究都市に行けないから、研究を再開できないし、出来たとしても仲間がいないから、俺1人では苦労するのは目に見えている。
母さんの願いだし、これが成功すれば、世界ももっと豊かになる。
でもなぁ〜。
俺は朝から盛大なため息をついた。
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hina(プロフ) - 半チャーハン大盛さん» 有難うございます。最後まで頑張ります。ところで私は「様」を付けるほど偉くないので気軽に呼び捨てでいいですよ。 (2019年1月23日 21時) (
レス) id: 0f49b991e3 (このIDを非表示/違反報告)
hina(プロフ) - JUMPLOVEさん» 有難うございます。お言葉を励みに頑張ります。 (2019年1月23日 21時) (レス) id: 0f49b991e3 (このIDを非表示/違反報告)
半チャーハン大盛(プロフ) - hina様の作品はどれも面白くて、とても続きが気になるような作品ばかりで驚かされてます!!今回の作品も毎日更新を楽しみに待ってます!!体調に気をつけて頑張ってください。応援してます!! (2019年1月23日 1時) (レス) id: d24a986904 (このIDを非表示/違反報告)
JUMPLOVE - とても見入ってしまう作品でした！！！更新頑張ってください！！！楽しみに待ってます！！！ (2019年1月22日 2時) (レス) id: f4e667ae46 (このIDを非表示/違反報告)
hina(プロフ) - 渚さん» 2度目のコメント有難うございます。これから色々分かってきますのでお付き合い下さい。 (2019年1月7日 20時) (レス) id: 0f49b991e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：hina | 作成日時：2018年12月20日 20時
