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光side



祓いに失敗した。

俺達はここで死ぬのか。

せめて涼介だけでも助かってほしい。

悪霊から伸びてくる闇に視線を捕らえたまま、俺は思っていた。

でも、その瞬間、涼介の叫び声が聞こえてきて。

気が付くと悪霊の標的は涼介に変わっていた。




ーつよい…れいりょく…




あっという間に涼介の体は闇に飲み込まれた。

闇の中で苦しむ涼介。

次の瞬間。




悲鳴を上げたのは。




悪霊の方だった。





慧「何?何なの?何が起きているの?」

悪霊の闇が涼介の方に流れている。

これじゃあ、まるで…。

大貴「涼介が闇を吸い取って…いる?」

光「ダメ…だ。これじゃあ、涼介が」

助けないと。

そう思うのに俺の体は石のように固まって。

動けなかった。




恐怖で。




やがて、俺達の意識は涼介の体に闇が全て吸い込まれたところで途絶えた。







光のレースに囲まれてベッドで眠っている涼介。

ピクリとも動かないその姿は痩せ細り、青白い顔色からは生気が全く感じられなかった

瞬間、自分達の愚かさを思い知った。







天地ノ一族の子供が寝泊まりする館から離れた母屋で目を覚ました俺達を待っていたのは天地ノ一族の両トップだった。

両トップ、つまり、俺達の祖母と大ちゃんの父親。

2人が同じ場所に揃うのは珍しい。

それだけ、俺達のした事は大問題だった。

地ノ一族の当主から全てを聞かされた。

俺達の愚行に怒りはしなかったが、両トップからの醸し出される雰囲気は今まで味わった事のない圧力だった。

2人は顔にも言葉にも出さないがかなり怒っている事はすぐに分かった。





あの時、悪霊は涼介の体に吸い込まれた。

それは涼介の中で今も存在し、蝕んでいる。

今は治癒の光と涼介の持つ霊力で活動が抑えられている。

けれど、油断は出来ない。

いつ、悪霊が暴れるか分からない。

もしそうなれば、涼介の命は……。





俺達は自分達がした事の重大さを知り、愚かだったと気付いた。

そして、眠っている涼介を見て、自分がしでかした罪の大きさに、泣いた。

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作者名:hina | 作成日時:2023年5月20日 8時

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