2 ページ25
慧side
リュウ『闇の気配がして我は目が覚めたのよ。そしたら、涼介がいなかったのよ。大変なのよ』
光「闇の気配…。悪霊!」
慧「何で悪霊が!?」
リュウ『理由なんかどうでもいいのよ。涼介が危ないのよ。我は涼介を追うのよ。2人も行くのよ』
と言ったかと思うとリュウはすぐに走り出した。
慧「待て!行くって、何処に!?って行っちゃったじゃないか。たく…。俺達では場所が分からないと言うのに」
光「とにかく、行こう。近くなれば悪霊の気配を感じるはずだ」
慧「そうだな」
俺と光が立ち上がるといつの間にか裕翔が起きて、こちらをじっと見ていた。
裕翔「皆、凄く慌ててるけど何かあったの?」
慧「涼介がいなくなった」
裕翔「え?それって大変じゃない!すぐに探さないと」
光「待って。裕翔はここにいて」
裕翔「え?」
光「涼介がいなくなったのは悪霊が関係している」
裕翔「あ…。そっか。それなら、俺は行かない方がいいね。ここで待ってるよ」
がっくりと肩を落としている裕翔。
仕方ない。
これに関しては彼は何も出来ないのだから。
俺と光は顔を見合わせて、お互い頷くと部屋を飛び出した。
廊下を出ると淡い光が点々と続いていた。
慧「何だ。探す必要なかったじゃん」
光「リュウの奴、ほんと使える式だな」
まったくだ。
ちゃんと足跡を残している。
とは言え、のんびりしている暇はない。
足跡は時間が経てば消えるのか少しずつ薄くなってきている。
光「急ごう」
俺達はリュウの足跡を追って走り出した。
旧館に入ると急に俺の足が縺れて倒れそうになった。
光が咄嗟に支える。
慧「サンキュー」
光「ああ。しかし、旧館に入った途端、こんなに感じるとは」
そう。
俺の足が縺れたのは禍々しい気配のせい。
しかも、かなり強い。
慧「でも、何でこれだけの気配、大貴が分からなかったんだろう」
光「確かに。アイツなら気付かないはずがない」
慧「まさか、最初からこれを狙って?」
光「俺達を温泉に…誘った?」
慧「まさか」
光「ああ、そうだな。そんなはずはない」
そうだ。
大貴は知っている。
涼介と悪霊の相性が悪い事を。
身に染みて分かってるはずだ。
だったら、何で俺達を悪霊のいる温泉に誘った?
いや、今は考えていても仕方がない。
慧「とにかく、今は涼介だ」
光「そうだな。行こう」
俺達は涼介の無事を祈って、再び、走り出した。
103人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:hina | 作成日時:2023年5月20日 8時