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涼介side



今までお風呂は兄ちゃんズのどちらかと一緒に入っていた。

慧「逆上せて倒れたらどうするの!」

光「足を滑らせて怪我したらどうするんだ!」

慧光「「入浴中に病気が発症したらどうする!!」」

と力説&泣き落としされた。

最近はリュウが一緒なので1人と1匹で入っている。


 


だから、久しぶりに全員で入浴。

涼介「あったかくて気持ち〜い」

俺は肩まで浸かって上機嫌。

大ちゃん達は「後で入る」と言って来なかったけれど、兄ちゃんズと裕翔先生が一緒で嬉しい。

4人一度に入っても余裕な大きいお風呂。

うちも広いけど、こことは比べ物にならない。
 




ただ、先程から兄ちゃんズと裕翔先生が体を固めて口を開けたまま、視線だけを追っている。

皆の視線の先はリュウだ。

リュウは頭にタオルを乗せて僕達と一緒に湯船に浸かり、尻尾をゆらゆらと動かしている。

慧「猫って水嫌いじゃなかったっけ?」

充分温まったリュウは湯船から出ると、今度は尻尾でスポンジを持って器用に体を洗い始めた。

光「どんだけ器用なんだ!」

泡だらけの体をこれまた尻尾を使ってシャワーで流す。

裕翔「あれ!猫!?猫なの!?」

次に再び、湯船に浸かり、今度は鼻唄を歌いながら体全体を揺らしてる。



「「この状況を誰か説明してくれ!!」」



皆が頭を抱えてパニックになっているが、僕としてはいつものことなので気にならない。

涼介「 ♪ 」

まったりと温かくて気持ちのいいお湯だ。







ーこ……へ………で…ー



涼介「??」

思わず、キョロキョロと見渡す。

光「どうした?何かあったか?」

涼介「え?あっ、何でもない」

何だろう。

何か聞こえたような…。

でも、皆は平然としている。

気のせいかな?




それからはリュウが僕の背中を洗ってくれたり、僕が上がるまで温泉とぬるま湯を往復して堪能しているのを見て、皆は終始目を丸くしていた。

 





温泉から出てからは兄ちゃんズに水分補給を促され、裕翔先生にパックお茶の入れ方を教えてもらい、外の夜景を堪能して布団に入った。





布団で寝るのも実は初めてだったりする。

ベッドとはまた違った気持ちよさと今日1日の疲れですぐに眠りに入った。



ーこ…っ……へ…お……で…ー



ーこっ…へ…おいでー

 

頭の中に響いてくる。

何?

僕に代弁でも頼みたいのか?
 


ーこっちへおいで…ー



意識が朦朧とする中、僕の体は動いていた。

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作者名:hina | 作成日時:2023年5月20日 8時

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