代弁師 2 (ページ17)

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光side

さっき、リュウが来た。

しばらく、じっと大貴達の方を見たあと出ていった。

慧「彼女を…見てた？」

隣でぼそりと小さな声で呟く慧。

何となく嫌な予感がする。

予感が当たったと分かったのはそのすぐ後だった。

がちゃりと開いたドアから大きなリュウと背中に座っている涼介。
　
その後ろから裕翔が入ってきた。

一瞬で青ざめる俺と慧。

慧「涼介！？寝てるはずじゃ…！」

光「お前、何やってんだ！？」

蒼白な顔色で力なく笑う涼介。

リュウ『Wちび、そこをどくのよ』

初めてでかいリュウを見て、唖然としている大貴と付き人に向かってリュウが命令する。

Wちび…って。

大貴がハッと我に返る。

大貴「誰がちびだ！」

侑李「大貴。ちびなのは事実なんだから。それよりも、ほら、立って」

隣の付き人が冷静に大貴を宥めて立ち上がる。

大貴のパートナーにしてはなかなか冷静だな。

ちびという言葉に反論しつつも大貴は立ち上がった。

開いたソファーに静かに涼介を寝かすリュウ。

涼介「ごめん。大ちゃん。侑李君」

大貴「いいさ。それより、お前、顔色が真っ青じゃねぇか。大丈夫なのか？」

侑李「明らかに状態が悪い人に大丈夫って聞いてどうするの？」

涼介「大丈夫だよ」

侑李「貴方も。そんな様子で大丈夫って言われても説得力に欠けるね」

涼介「ハハ…」

大貴「悪かった。それより、どうしたんだよ涼介」

慧「そうそう。何で寝てないの」

光「絶対安静だろ。裕翔もリュウも何で連れてきた」

裕翔「それは…」

涼介「リュウも裕翔先生も悪くない。僕は彼女に用があるんだ」

『私、ですか？』

涼介「そう。君」

『あなた、私の声が聞こえるんですね』

涼介「うん。聞こえるよ。君に会わせたい人がいるんだ」

『会わせたい人…ですか？』

こうなってはもう、俺には止められない。

成り行きを見守るしかない。

あ〜あ、また、熱が上がるなぁ。