代弁師 2 (ページ12)

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光side

ここに居てはならないものが出逢いの間にいる。

しかも、そいつの代弁をしようと言うのだから前代未聞だ。

慧「涼介。これはどういうことかな？」

あっ、黒い微笑みが。

涼介「わっ、訳は後で」

瑠花「会いたかった！でも、どうして、居なくなったの？」

《それは…。わたしはこの世にはいない人だから》

瑠花「もしかして、私を助けたせいで」

《違う》

瑠花「じゃあ…何で？」

《わたしは最初から死んでいたの。瑠花ちゃんを騙してた》

瑠花「何だ。そんな事？知っていたわ。貴方が幽霊だってことくらい」

子供は大人と違って純粋な心を持っている。

故に霊が見えやすい。

瑠花「だって、貴方、体が透けているんだもの。体が透けているのは幽霊だって教えてもらったわ」

《じゃあ、どうしてわたしと遊んでくれたの？》

瑠花「貴方と友達になりたかった。それだけよ」

何だ。

いい子じゃないか。

それはあの女の子も分かっている。

だから、瑠花ちゃんから離れた。

《でも、わたしのせいで瑠花ちゃんは事故にあった。わたしといると皆死んじゃうの。わたしは瑠花ちゃんの側にいない方がいい》

瑠花「それは貴方が願ったから？」

《違う。わたしは願ってない》

瑠花「だったら、貴方のせいじゃない。悪いのはそういう風にしてしまった環境のせいよ」

瞬間に。

初めて見た。

悪霊が涙を流して泣いているのを。

瑠花「泣かないで。わたしは貴方に感謝しているの。あの時、わたしを助けてくれてありがとう。わたしと遊んでくれてありがとう。ずっと、言いたかった」

《わたしも瑠花ちゃんと遊べて楽しかった。ありがとう》

そうして、女の子は宏太に祓われて浄化した。

瑠花「やっと、あの子にお礼を言えたわ。これも全て、彼らに会わせてくれた宏太のお陰ね」

短い腕を伸ばして、宏太の腕にしがみつく。

宏太「おい！離せ」

瑠花「またまた。照れちゃって。ほんと、男の人は恥ずかしがり屋ね」

絶対、このガキ、年齢を偽ってる。

瑠花「もちろん、貴方達にも感謝してるわ。それとパパとママの作った苺を誉めてくれたのも礼を言うわ。今度、苺と苺スイーツを持ってきてあげる。借りを作ったままにはしておきたくないから」

借りって……。

その後、宏太に連れられて、ませガキは帰っていった。

帰る間際。

瑠花「ママの作るスイーツはどれも絶品だから、楽しみにしててね」

とそれはそれは子供らしい笑顔だった。