ゆーや ページ44
今日は朝から騒がしい。
慧と涼介を除く兄弟がバタバタと家の中を走り回っている。
実は本日、涼介の誕生日。
兄弟揃って涼介の誕生日を祝うのは初めてのこと。
幼い時から研究所にいた涼介は誕生会をした事がない。
母さんと慧が一応、祝っていたみたいだけど、ケーキを食べるぐらいだった。
病気になって、俺や宏太、父さんが研究所に通うようになった後は食欲も落ちてほとんど、ケーキは食べれなかった。
世界が汚染されてからは俺達はそれどころではなかったし、浄化された後も涼介は眠りに入ってしまった。
そして、やっと、今日、涼介の誕生日を迎える事が出来た。
本当は父さんや母さんもいたら、良かったけど。
それは俺達がカバーするって事で。
特に光なんかは手作りのケーキに初挑戦だ!と張り切っていた。
可笑しいな。
この間、手作りケーキを食べたような。
大貴「初挑戦って、この間のケーキはなんだったんだよ」
光「あれは試作品。この日のためにスポンジの方を1回作ってみたかったんだ。飾りが質素だったろ」
圭人「確かに生クリームとチョコだけだったね」
裕翔「じゃあ、今日のケーキは豪華?」
光「もちろん。楽しみにしてて」
侑李「やった!上手くいったら、僕達の誕生日も豪華なケーキ作ってよ」
光「分かった」
大貴「あ〜!俺も俺も」
ケーキではしゃぐ弟達はいつまで経っても子供だな。
雄也「ところで慧はどうした?涼介の誕生会楽しみしてのに」
宏太「急に実験結果が出て研究所に行った」
光「夕方には帰ってくるだろ。涼介と一緒に」
侑李「慧兄、泣きながら出掛けたよ」
裕翔「誕生会の準備出来ない〜って」
圭人「涼介に引っ張られて行った」
大貴「仕方ない。慧兄の分まで準備頑張るぞ」
ワイワイと遊びながら、準備をする兄弟。
その傍らで俺と宏太はソファーでお茶を飲みながら、寛いでいた。
雄也「宏太」
宏太「ん?」
雄也「長い道のりだったな」
宏太「そうだな。やっと、俺達の願いが叶えられた」
雄也「本当は父さんと母さんもいたら良かったけど」
宏太「うん。でも、きっと天国で喜んでいるさ」
雄也「プッ。似合わない言葉」
宏太「だろ」
宏太「俺達の願いは叶えられたけど、今度は壊れないようにしないとな」
雄也「ああ。そうだな」
願わくば、自分がクローンだと涼介が一生気付きませんように。
289人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
hina(プロフ) - 涼介さん» 随分前にコメント下さったのに返事遅くなってご免なさい。面白いと言ってくださって嬉しいです。有難うございます。 (2021年4月21日 22時) (レス) id: 255c6bfbbf (このIDを非表示/違反報告)
涼介(プロフ) - 天才すぎます。はい、ただただオモロい。失礼致しました。w (2020年12月26日 19時) (レス) id: d7d73abaf2 (このIDを非表示/違反報告)
hina(プロフ) - Rare fruitさん» 有難うございます。以前にも誉めて頂いて嬉しい限りです。尊敬は照れますね。 (2019年3月15日 7時) (レス) id: 0f49b991e3 (このIDを非表示/違反報告)
Rare fruit(プロフ) - 完結おめでとうございます。hinaさんの作品はどれも最初から設定がしっかりしていて、わくわくする展開の連続で、すごいなあと尊敬しています。新作すごく楽しみです!待ってます! (2019年3月13日 22時) (レス) id: 362d8b3af6 (このIDを非表示/違反報告)
hina(プロフ) - JUMPLOVEさん» 本当にいつも嬉しいお言葉、有難うございます。来週あたりにお話、出せたらいいなと思っております(あくまでも予定ですが) (2019年3月7日 22時) (レス) id: 0f49b991e3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:hina | 作成日時:2019年2月1日 21時