ゆーと ページ25
本来ならお父さんとお母さんの記憶はここまでのはずだった。
でも、AIの両親を搭載したコンピュータを涼介兄さんが作ったから、映像のお父さんとお母さんにはそれ以降の記憶があった。
正確にはオリジナルの涼介兄さんとクローンの涼介兄さんの合作。
オリジナルの涼介兄さんは生前、実在する人のAIや世界の理、全ての研究成果などありとあらゆるものを搭載したボード式のコンピュータを作ろうとしていた。
その設計図とプログラムは既に作られていて、それを元に実際に作ったのがクローンの涼介兄さん。
両親のAIを搭載したのもクローンの涼介兄さん。
実在する人物に両親を選んだのはこのコンピュータは誰のものでもない、俺達兄弟のためのコンピュータだから。
将来、俺達が目覚めて、真実を知りたくなるだろう……いや、知らなければいけない時に涼介では上手く説明出来ないと思い、生前にお父さんとお母さんが協力した。
全ての事柄が記録されたコンピュータだから、両親が亡くなった後の事も映像の両親は知っていると言うわけだ。
両親が亡くなった後、涼介兄さんは世界の浄化プログラムの管理、俺達の健康管理、このコンピュータの制作をやってきた。
大貴「なんか…父さんも母さんも涼介も凄いな」
大ちゃんがぼそりと言葉を溢す。
光「何がだ?」
大貴「だって、世界が汚染されて、俺達が目覚める2年の間にこれらの事をやってのけたんだぜ」
「「!!」」
圭人「言われてみれば。俺はコンピュータの事は詳しくないけど、プログラムやAI搭載コンピュータを作るって、相当な技術がいると思うよね」
侑李「確かに…」
涼介兄さんの凄さを知ったからこそ、それを信じる事が出来た。
そう思っていたら、宏兄が声を荒げた。
宏太「出来るものか!」
雄也「そのとおりだ」
裕翔「どういうこと?」
宏太「そんな複雑かつ高度な技術を必要とするこれらの事、2年で出来るはずがない!」
雄也「そう。いくら涼介の知能が高くても…」
光「でも、世界が汚染されたのは3年前。俺達が目覚める1年前には全ての事は終わっていたじゃないか」
宏太「父さん!母さん!本当の事を教えてくれ」
宏兄が必死で映像の両親に訴える。
父『もちろん、全て話す』
室内が静寂に包まれる中、父さんはゆっくりと真実を語った。
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hina(プロフ) - 涼介さん» 随分前にコメント下さったのに返事遅くなってご免なさい。面白いと言ってくださって嬉しいです。有難うございます。 (2021年4月21日 22時) (レス) id: 255c6bfbbf (このIDを非表示/違反報告)
涼介(プロフ) - 天才すぎます。はい、ただただオモロい。失礼致しました。w (2020年12月26日 19時) (レス) id: d7d73abaf2 (このIDを非表示/違反報告)
hina(プロフ) - Rare fruitさん» 有難うございます。以前にも誉めて頂いて嬉しい限りです。尊敬は照れますね。 (2019年3月15日 7時) (レス) id: 0f49b991e3 (このIDを非表示/違反報告)
Rare fruit(プロフ) - 完結おめでとうございます。hinaさんの作品はどれも最初から設定がしっかりしていて、わくわくする展開の連続で、すごいなあと尊敬しています。新作すごく楽しみです!待ってます! (2019年3月13日 22時) (レス) id: 362d8b3af6 (このIDを非表示/違反報告)
hina(プロフ) - JUMPLOVEさん» 本当にいつも嬉しいお言葉、有難うございます。来週あたりにお話、出せたらいいなと思っております(あくまでも予定ですが) (2019年3月7日 22時) (レス) id: 0f49b991e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:hina | 作成日時:2019年2月1日 21時