こーた ページ18
涼介が亡くなってからの1ヵ月、俺達は悲しみに明け暮れた。
悲しくて。
悲しくて。
他の兄弟には絶対に見せられないから、部屋で毎日、涙を流していた。
それは雄也も同じで。
慧は前よりも研究に没頭した。
多分、その方が何も考えなくてすむから。
涙が止まって『悲しい』という感情だけが残ってから半年後、『悲しい』から『後悔』という感情に変わってきた。
何故、脳の能力向上を受け入れたのだろう。
あれをしなければ、涼介は普通の生活を送れた。
何故、遺伝子を取り出す処置の許可をしてしまったんだろう。
あれをしなければ、涼介は兄弟達と一緒に外で遊べた。
もちろん、もし涼介が普通に生活していたら、もっと早くに感染していた可能性だってある。
逆に言えば、処置さえしなかったら、感染しなかった可能性もある。
皆と生活していたら、他の兄弟と溝が出来るなんてことはなかったはずだ。
でも、隔離していたからこそ、これまで涼介は感染せずに生きていられた。
普通に生活していたら……。
隔離をしていたから……。
俺の中でいろんな考えが浮かんでくる。
でも、そんな中で必ず、思うことは。
涼介の『自由』を奪ったこと。
俺達の選択は涼介の生涯の半分以上『制限』した。
もっと、自由に遊びたかっただろう。
もっと、自由に研究したかっただろう。
もっと、自由に外に行きたかっただろう。
押し寄せてくるのは後悔ばかり。
毎日、悲しんで。
毎日、後悔して。
そして、俺達は決断した。
涼介のクローンを作ることを……。
この頃、動物のクローンは完成されていた。
だが、人はまだ完成されていない。
それでも俺達は作る事を決意した。
この選択が3つ目の間違いだと気付かずに。
賢者や医療チームの人達も協力してくれた。
恐らく、涼介に対して後ろめたさがあったからだろう。
もしかしたら、賢者の中には涼介の頭脳を目当てに協力していた者もいたかもしれない。
それでも俺達は涼介が復活するならば…と目をつぶった。
クローン作りは賢者の区域で秘密裏に行われた。
そんな中で母さんと慧が研究している『生命エネルギーについて』の知識は大いに活用された。
そうして、涼介のクローンが生まれた。
でも。
生まれたクローンには幾つかの欠点があった。
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hina(プロフ) - 涼介さん» 随分前にコメント下さったのに返事遅くなってご免なさい。面白いと言ってくださって嬉しいです。有難うございます。 (2021年4月21日 22時) (
レス) id: 255c6bfbbf (このIDを非表示/違反報告)
涼介(プロフ) - 天才すぎます。はい、ただただオモロい。失礼致しました。w (2020年12月26日 19時) (レス) id: d7d73abaf2 (このIDを非表示/違反報告)
hina(プロフ) - Rare fruitさん» 有難うございます。以前にも誉めて頂いて嬉しい限りです。尊敬は照れますね。 (2019年3月15日 7時) (レス) id: 0f49b991e3 (このIDを非表示/違反報告)
Rare fruit(プロフ) - 完結おめでとうございます。hinaさんの作品はどれも最初から設定がしっかりしていて、わくわくする展開の連続で、すごいなあと尊敬しています。新作すごく楽しみです！待ってます！ (2019年3月13日 22時) (レス) id: 362d8b3af6 (このIDを非表示/違反報告)
hina(プロフ) - JUMPLOVEさん» 本当にいつも嬉しいお言葉、有難うございます。来週あたりにお話、出せたらいいなと思っております(あくまでも予定ですが) (2019年3月7日 22時) (レス) id: 0f49b991e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：hina | 作成日時：2019年2月1日 21時
