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宏太「初めて知った。そんな物が存在するなんて」
雄也「俺も」
父「実は俺も今回、始めて知った」
母「仕方ないのよ。この発見はそんなに古いものではないから」
父「そうなのか?」
母「そう。これを発見したのは50年前。涼介と同じ、免疫力と耐性力が遺伝子に組み込まれている人がいて分かったのよ」
宏太「それで涼介の運動能力の発達が遅いと原因が分かったけど、それが何かあるのか?」
雄也「相談したいことがあると言っていたけど」
両親の表情が曇り、口を閉ざしてしまう。
話すのをためらっているのだろうか。
まあ、衝撃的な事だから。
俺もこの話を聞いた時は悩んだ。
父さんも母さんも悩んだ。
いや。
この時、本当は答えはそれぞれに出ていたのかもしれない。
それでも、長男と次男にも相談すべきだと呼び出した。
慧「発見するきっかけになった人は結論から言うとウイルスに感染して亡くなった」
宏太「えっ?待って。ウイルスに対して免疫を持っていたんじゃないのか?」
その人は持っていないウイルスに感染してしまった。
薬を使おうとしても耐性があるから効かない。
耐性のない薬があれば効果は見られるが、その人にはどれも効果は今一つだった。
宏太「じゃあ、もし…涼介が免疫のないものに感染したら、治らない可能性はあると言うことか?」
父「その…とおりだ」
雄也「そんな…」
母「それともう1つ…あるの」
母さんはそれだけ言うのが精一杯なのか、再び、口を閉ざしてしまった。
今度は代わりに父さんが説明する。
医療カプセルで治せるものは病気と怪我と一部の感染。
つまり、治せない感染もある。
その中でも軽い感染は医療カプセルで一時的に進行を止めるか遅らせて、その間に自然消滅を期待する。
問題は二次感染力が強いものと他者に移らなくても本人の命を脅かすものは隔離して治療が必要になることだ。
要するに感染したらなかなか治らないと言うことだ。
そこで医療チームが以前より目を付けていたのは免疫力が異常に高い遺伝子で、それがあれば感染した体を治す薬が作れるかもしれない、だった。
前の人の遺伝子でその薬は出来上がった。
ところがその薬で治る確率は半分。
確率を上げる為に研究しようとしたところでその人は亡くなってしまった。
一応、研究は続けてきたが限界がある。
そんな時に涼介が現れた。
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hina(プロフ) - 涼介さん» 随分前にコメント下さったのに返事遅くなってご免なさい。面白いと言ってくださって嬉しいです。有難うございます。 (2021年4月21日 22時) (レス) id: 255c6bfbbf (このIDを非表示/違反報告)
涼介(プロフ) - 天才すぎます。はい、ただただオモロい。失礼致しました。w (2020年12月26日 19時) (レス) id: d7d73abaf2 (このIDを非表示/違反報告)
hina(プロフ) - Rare fruitさん» 有難うございます。以前にも誉めて頂いて嬉しい限りです。尊敬は照れますね。 (2019年3月15日 7時) (レス) id: 0f49b991e3 (このIDを非表示/違反報告)
Rare fruit(プロフ) - 完結おめでとうございます。hinaさんの作品はどれも最初から設定がしっかりしていて、わくわくする展開の連続で、すごいなあと尊敬しています。新作すごく楽しみです!待ってます! (2019年3月13日 22時) (レス) id: 362d8b3af6 (このIDを非表示/違反報告)
hina(プロフ) - JUMPLOVEさん» 本当にいつも嬉しいお言葉、有難うございます。来週あたりにお話、出せたらいいなと思っております(あくまでも予定ですが) (2019年3月7日 22時) (レス) id: 0f49b991e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:hina | 作成日時:2019年2月1日 21時