ゆーと ページ2
後悔しないで。
真実を知っている慧兄の最後の忠告。
宏太「お前は後悔しなかったのか?」
真実をいち早く知った慧兄。
慧兄は今、後悔しているのか。
それとも……。
慧「しなかったよ」
きっぱりと迷いなく言った。
宏太「そっ…か」
侑李「もしかして、慧兄は行かないの?」
慧「うん。ボードの中は見ていないけれど、何が記録されているのかは知っているから。それに俺は涼介の側についていてやりたい」
宏太「分かった。……涼介を頼むな」
慧「うん」
そっか。
慧兄行かないんだ。
研究所をよく知っている慧兄がいないのは少し不安だな。
侑李も同じ事を思ったみたいで。
慧兄の視線が俺達に向けられた。
慧「2人ともごめんね。それとこれだけは覚えておいて。涼介は俺達の兄弟だから」
硬い表情から一変、慧兄は優しい表情になっていた。
それでも、不安は拭い切れずに俺は…いや、俺達は無言のまま、車に乗った。
研究都市に着くまで俺達に会話はなかった。
いつもなら、皆で車に乗ると侑李と大ちゃん、圭兄が騒いで宏兄に怒られていたのに。
大ちゃんと侑李は景色を眺め、圭兄はただ真っ直ぐ前を向いていた。
もちろん、騒ぐグループの1人、俺も今回は会話する気なんて起きなかった。
研究都市に入ると俺達の目に衝撃的な光景が飛び込んできた。
ある建物を中心として幾つかの建物が錆びて半壊している。
中心になっている建物は形が殆どなく、下の部分だけが残っていた。
宏太「ここは化学物質研究所があった場所だな」
光「例の場所か」
雄也「建物がこんなになるなんて」
兄さん達の会話が聞こえてくる。
化学物質研究所。
世界を汚染し、沢山の人々の命を奪った原因を作った場所。
父さんと母さんが命を掛けなくてはならない状況を作った場所。
俺は目線を反らし、ぐっと拳を握りしめた。
やがて、遠くに姿を現す都市の中心にある研究所。
研究都市の中では一番大きい。
母さんと慧兄と……涼介兄さんがいた研究所。
その研究所の前を俺達6人は緊張と不安を抱いて立っていた。
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hina(プロフ) - 涼介さん» 随分前にコメント下さったのに返事遅くなってご免なさい。面白いと言ってくださって嬉しいです。有難うございます。 (2021年4月21日 22時) (レス) id: 255c6bfbbf (このIDを非表示/違反報告)
涼介(プロフ) - 天才すぎます。はい、ただただオモロい。失礼致しました。w (2020年12月26日 19時) (レス) id: d7d73abaf2 (このIDを非表示/違反報告)
hina(プロフ) - Rare fruitさん» 有難うございます。以前にも誉めて頂いて嬉しい限りです。尊敬は照れますね。 (2019年3月15日 7時) (レス) id: 0f49b991e3 (このIDを非表示/違反報告)
Rare fruit(プロフ) - 完結おめでとうございます。hinaさんの作品はどれも最初から設定がしっかりしていて、わくわくする展開の連続で、すごいなあと尊敬しています。新作すごく楽しみです!待ってます! (2019年3月13日 22時) (レス) id: 362d8b3af6 (このIDを非表示/違反報告)
hina(プロフ) - JUMPLOVEさん» 本当にいつも嬉しいお言葉、有難うございます。来週あたりにお話、出せたらいいなと思っております(あくまでも予定ですが) (2019年3月7日 22時) (レス) id: 0f49b991e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:hina | 作成日時:2019年2月1日 21時