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ー取調室ー
取調室の隣の部屋で皇子山さんと斑目くん、鯨岡さんと細面さんを待っている。斑目くんが自称煙鴉を取調室に連れてくる時、ホッとした顔を自称煙鴉はしていたらしい
『ホッとした顔？』
「おかしくないですか？もし、クロだとしたら刑務所だしシロだとしたら、そもそも何で自首なんてしたのか…彼に何のメリットが？」
細面さんが到着し、取り調べが始まった
「今日はあんたか」
「よろしくお願いします。僕も今日が最後かもしれないんで…リストラされちゃうんですよ、多分。フフ」
「何でだ？手口捜査しかできないからか？」
「僕のことご存知なんですか？」
「あぁ」
「人間相手は向いてないんですよ…手口捜査は統計学に近い。数字は人を騙さない…だけど今は何でもパソコンでできちゃう」
「騙す方が悪いんだ。だってそうだろ？あんたは悪くない。周りが悪いんだ」
「騙された経験が？」
「…どうしても困ってるって言ったんだ…友達が…すぐに返すからってだから金を貸したんだ…次の日ドロン。大事な、大事な会社の運転資金だった。全てパーだ…」
「全て失ったんですか？」
「今取り戻そうと思ってる。あともう少しだ。もう少しで帰れる…あんたはそれでいいのか？」
指紋のない手を見つめながら言う自称煙鴉はとても辛そうに見えた。そして細面さんも気持ちが変わったらしく表情が明るくなってきた
「前まではいいと思ってました。でも今はちょっと嫌かな。僕にも仲間ができたんで、馬鹿ばっかりだけど。そこに…もう１度帰りたい」
いい雰囲気になったところで皇子山さんが取調室の中に入り、自称煙鴉を脅す
「18番、勾留延長だ。被害者宅からお前のDNAが検出された。知らなかったのか？お前が口をつけたこのコップ、落ちている髪の毛一本。俺が現場にしれっと置いて来ればそれは立派な証拠だ。これでお前は本物の煙鴉だ。刑期は10年か20年か…お前はどこにも帰れない。本当のことを言えば…」
その言葉を聞いた自称煙鴉は怒り皇子山さんの首元を掴み暴れ、斑目くんが止めに入った
ーーー
落ち着きを取り戻したところで、DNAから自称煙鴉がシロだと分かり釈放することになった
どうして煙鴉と言っていたのか、本物の煙鴉とどう関係しているのか謎に包まれたまま今回の事件は幕を閉じた
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作者名：mata.nab | 作成日時：2019年11月28日 14時
