ドロと刑と虹と ojym (ページ41)

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皇子山さん　3 ページ41

引き当たり捜査で連泊していたので久しぶりに家に帰れる。今日はコンビニで晩酌セットでも買って帰ろうと破れたコートのまま気にせず警視庁をあとにする

「Aっ！」

『皇子山さん？』

「飲みに行かないか、話したいことがあるんだ」

突然誘われたが、コンビニの晩酌セットよりはいいかと思い誘いにのる。皇子山さんお気に入りフレンチのお店に行くのかと思って服破れてるしどうしようかと思ったが今日は飲みたい気分なんだと居酒屋に連れてこられた

「A、何飲む？」

『ビールください』

「すみません、ビール２つ」

飲み物とてきとうにつまみを頼む。皇子山さんと2人で飲むのは初めてだ。この前のバーではケムさんと話したあとに帰ってしまったからだ。

「今日は悪かった、背中」

『いいんです！切られたのはコートでしたし、皇子山さんが駆けつけてくれたから助かりました！こちらこそありがとうございます』

「そうか…」

いつも笑わない皇子山さんが笑っている。そのあともたわいもない話をして明日も仕事だから早めに帰ることになった。

『皇子山さんお金！払います！』

「いい。女に払わせる程、金に困ってない」

『…ありがとうございます…ごちそうさまです！』

お金を出しても受け取ってもらえなかったのできちんとお礼だけした。今度珈琲でも奢らせてもらおう

「なぁ、話したいことがあるんだが」

『あっそうでしたね、どうぞ！』

帰る準備をしていたがまた席に着く

「Aが好きだ」

『え…』

「俺のことなんて意識したことなかっただろ？返事はまだいい。帰るぞ」

『え、あっはい』

驚いて何も言えず。気付いたらそのままタクシーに乗せられ帰路に着いていた