皇子山さん 2 ページ32
ー13係ー
「あ、これ!」
テーブルの上に置かれた古いストッキングを見つけ、声をあげる美希ちゃん
「ごみ収集所にあったんだ、必死で探して見つけた」
『最近見ないなと思ったらずっと探してたの!?』
「証拠隠滅を図って捨てたんや、王子山が!」
「確かな物証ですね、指紋を調べましょう」
「ちょっとまって、ストッキング?古い?そんなものそもそもなんでカバンの中に入れたの?」
「そりゃあそうやな」
「そうでした!これながら掃除用のやつです!古いカバンに入れて持ってきて掃除して使って私がゴミ箱に捨てたんです。ウッカリ忘れてました!」
「ものすごいうっかりやな」
「これがストッキング事件の真相…」
「色眼鏡で見ていたのは我々でした」
「何の時間だ」
『散々、犯人扱いされてた皇子山さん可哀想』
ーーー
取り調べからもどってきた皇子山さんが私のところまで来た
「腕の傷良くなったか?」
『はい!病院に連れてってくれた皇子山さんのおかげです』
皇子山さんを見上げ笑顔で答える。病院に行かなかったら治りも遅くなっていたと思う
「そうか…」
『?』
「あんま見んなっ…」
気づくと皇子山は顔が赤くなっていた
(ありゃ、照れてんな)
(ほんまや!顔真っ赤)
(…Aさんの笑顔にやられたようですね)
(本人は赤くなってる理由全く気付いてへんからな〜罪な女よ〜)
『皇子山さん!顔赤いです!風邪!?』
「いや、健康だ。問題ない」
『うそ!無理は禁物ですよ!』
(皇子山が気の毒やな)
(取り調べみたいに攻めたらいいのに)
(それはあかんやろ!)
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作者名:mata.nab | 作成日時:2019年11月23日 9時