君の声を聞かせて3 -Kyuhyun-

誰かの陰謀 ページ7

ごめん、キュヒョナ。

キュヒョナは何も考えたくないって
知ってるけど。




「…なんで、そんなに強がるの。」
「え、強がってなんか…。」
「じゃあ、なんでそんな顔してるんだよ。」




パッと抱き寄せてた腕を離して
キュヒョナに問いかける。


瞳がうるうるして。
今にも泣きだしそうで。




「ねぇ、なんでそんなに
ボロボロになってるのに気付かないの…

ホントに馬鹿で意地っ張り。」

「なんの、こと…」

「自分に聞いてみてよ…ッ。」




そんなんになっているのに
強がっている彼につられて
自分まで泣きそうになった。




嬉し泣きなんかじゃない。


傷ついていること
虚しいこと



全部分かってるくせに。




「Aちゃんがそんなこと思ってないに
決まってるじゃん。」
「……ッ。」
「ちゃんと本人に聞いてないんでしょ…?」




だって絶対おかしいもん。



ヌナとAちゃんの先輩が
偶然そこにいるなんて…

その現場を意図的に目撃させたとしか
僕には思えない。





不意にキュヒョンを見ると、今まで
切なそうだった顔が

一瞬、怒りを覚えているように見えた。



びくっと体が竦む。




「俺、言われたよ、はっきりと。

『…私に話しかけないで。
これ以上関わらないでください。』

って。」

「…何の理由もなく言わないよ。」




ちゃんと知らなきゃ
ちゃんと向き合わなきゃ

その権利がキュヒョナにはあるのに。






…誰かのせいで、



何かが起きている。

僕の知らない、何かが。





確かにAちゃんに会ったことないし
キュヒョナに話を聞かされてただけだったけど



その話だけでも
悪い子じゃないって分かったよ。


何の理由もなく、突然
人を虐げるようなことはしない。







絶対、何かがあるはず。




そう確信した。

弟の気持ち→←思わず動く

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す