彼女の願い ページ47
『お願いします、先輩、聞いて。』
「いやだ…いやだ、嫌だ!!」
まるで、駄々っ子だ。
他に何か言いたいことが
たくさんあるはずなのに、
何一つ出てこない。
この言葉しか言えない。
『私、最低なんです。
優しい先輩を利用して傷を埋めようとした。』
「それは…っ、俺が言ったから…」
『先輩のせいなんかじゃありません。
私の心が弱くて、
一人になるのが怖くて
先輩を想ってるって暗示をかけました。
自分勝手だけど、私からの最後のお願いです。
もう、この関係を止めましょう。』
身体の中の温度が感じられない。
身体が宙に浮いているみたいに
感覚がない。
脳が、働かない。
別に余命宣告をされているわけでもないのに、
『先輩だって、こんなことしてても
幸せになんてなれないって分かってるんでしょう…?』
「俺は、俺は幸せだ!!
Aちゃんが隣にいて笑ってくれることが
どんな形であっても俺の幸せなんだ…
だから、だからっ……」
そんなこと言わないでくれ。
その言葉は嗚咽と共に
身体の深くへ飲み込まれていった。
その代わり、いつぶりか
分からない位の涙が、
ぽたぽたと零れて
紺のスーツの上にシミを作る。
「俺は、お前が必要だ……
好きで、すごく、好きで……」
『先輩、お願いです。
こんなことしなくても
先輩を愛してくれる女性なんて
この世の中にいくらでもいるんです。
素敵な人だから、こんな関係に
これ以上引きずり込みたくないんです。』
「そんな人、いくら居ても意味ないだろ……っ!!」
『でも、私はその人になれないんです。
そんな人になる価値も資格もありません。』
「A……っ!!」
『すみません。』
もしも、スマートな男だったら
彼女の幸せを願って直ぐに諦めたのだろうか。
ただ、ドアから出て行った彼女を
眺めることしかできない俺は
無力なのかもしれない。
でも、
俺は、本気で彼女のことを愛していた。
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ぺりーぬ。(プロフ) - みきてぃさん» コメントありがとうございます!!そんなこと言っていただけるなんて。緊張と興奮で心臓は張り裂けそうです笑最高の褒め言葉ですカムサハムニダ〜!!わたしもみきてぃさんの一言でとっても励まされますTT (2016年3月18日 17時) (
レス) id: cc7ef5f842 (このIDを非表示/違反報告)
みきてぃ - 更新ありがとうございます〜〜！もう嬉しくて最近の嫌な事、全部吹き飛んじゃいます！ (2016年3月18日 0時) (レス) id: 80f9c61c84 (このIDを非表示/違反報告)
ぺりーぬ。(プロフ) - ようこさん» コメントありがとうございます!!本当にありがとうございます涙ご期待に添えるよう、これからも精進していきたいと思います＾＾ (2016年3月14日 22時) (レス) id: cc7ef5f842 (このIDを非表示/違反報告)
ようこ(プロフ) - お帰りなさい(*^^*)急がず焦らず！ゆっくりでよいです。まったりとお話に浸透していきたいです！楽しみにしてます。 (2016年3月8日 21時) (レス) id: 5f66db29c1 (このIDを非表示/違反報告)
ぺりーぬ。(プロフ) - みきてぃさん» 長い間、コメントを返せなくて本当にすみません…汗 そんなこと言っていただけるなんて本当にうれしいです涙これからもどうぞおろしくお願いします＾＾ (2016年3月8日 21時) (レス) id: cc7ef5f842 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぺりーぬ。 | 作成日時：2015年7月6日 23時
