転生して火消しになるお話。4 (ページ27)

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死ページ27

｢消えただと.......？馬鹿な.......一体どこに.......？｣
｢.......さぁ？ここまで来ると私の知識も追いつかないからね、灰島のエリートさんに2人で聞く？｣
｢.......｣

私の声も無視され、時間の流れを戻される。

物凄い音をした所を見遣ると、森羅くんが壁にぶつかっていた。

｢いてて.......今のは速かったな.......通り過ぎちまったか.......｣
｢いつの間に.......どうやってそこまで移動した？｣
｢え？ショウ団長が反応できていない？｣
｢さっきまた、時間が止まった。その空間には森羅くんが居なかったの｣
｢って事は消えた.......？物体は一定の速度を超えるとその衝撃に耐えられなくなり自壊する.......｣

ブツブツと憶測を並べて話すリヒトさんに、思わずイラッとしてしまう。

｢今回の件に関しては私も無知。だから極力簡潔に説明してほしいなぁ。｣
｢簡潔に要約とすると、森羅くんは1度死んでる｣
｢うん、要約しすぎだね。｣
｢光速に達して時間を止める。その時、衝撃で身体は粒子に分解する。さらに加速して光速を超えると時間は巻き戻る。そうして元の身体に戻っていると思われる｣
｢身体が粒子化している状態は＂生きている＂とは言い難い。つまりは死んでいる.......と？｣
｢そういう事になるね｣

謎が解明した瞬間、森羅くんの拳が象くんに当たった。

2人を嬉しそうに眺めるリヒトさん
.......と、それ以外の誰かの気配がする。
上か？.......でも下手に接触はできないな.......

｢.......1度まばたきをするだけで、状況が変わっている.......｣
｢.......駄目だ、そろそろ危ない.......止めないと。｣
｢え？｣

咄嗟に炎の檻を創って森羅くんを匿う。
途端に森羅くんは膝を折り、吐血した。

｢.......ごめんね.......兄弟の為とはいえ、これ以上は戦わせられない。このままだと発火限界を起こして死ぬ。戻って来れなくなるよ。身体もこの世界に残さぬまま、粒子となって。｣
｢戻ってこれなくなる.......？｣

そう呟いた森羅くんは笑顔をつくっていた。

｢何がおかしい。気持ちの悪い男だ｣
｢クセなんだ.......いや、違うな.......恐怖で笑ってるんじゃない。ショウと遊べるのが嬉しいんだ｣

森羅くんの足から炎が出た瞬間、私の頭の中に、幼い2人の子供が遊んでいる姿が出てくる。

.......2人の過去か.......
私を通して、いや、象くんを通して？アドラリンクをしたんだろう。