大火災 ページ3
紅月の元へ戻るが、相変わらず可愛い顔で寝ていた。
｢お嬢、外からすげぇ音がしましたが.......何事で？｣
｢ウチの馬鹿紅が暴れてたのよ。｣
｢若が？｣
｢紺炉が発火能力使って漸く攻撃は収まった。
.......拳を交わすことでしか分かり合えないと思ってる大バカ野郎だよ.......｣
ついつい新平太に愚痴を零してしまう。
.......何だか外が騒がしい。
｢新平太、ごめん。もう少しだけ紅月見守ってて！｣
｢任せてくだせぇ！｣
詰所から出ると、ヒカ？とヒナが喧嘩していた。
｢ヒカじゃねぇ！ヒカじゃねぇ誰かだ！！｣
｢ヒナじゃねぇ！ヒナじゃねぇ誰かだ！！｣
｢｢クソがぁぁぁぁぁ！！！！｣｣
2人を宥めようとする第8と紺炉を横目に、そっと飛び蹴りを噛ます。
同時に第8の男の子も同じ相手に膝蹴りをしていた。
｢お嬢！！｣
｢ヒカに化けるならもうチョット上手くやれよ｣
｢.......よく分かりましたね.......｣
｢昔から2人の面倒見てたからね、そりゃ分かるさ。
紺炉、あとお願い。私は町見てくる｣
そう言い、炎を纏って空を飛ぶ。
.......なんで町中で喧嘩が起きてんの.......？
そう思った瞬間、色んな所から煙が立った。
｢.......まさか、これが白装束の仕業なんて言わないよね？｣
1番近くの発火場所に近付くと、焔人がいた。
｢.......ごめんね、誰か分からないけど、どうか安らかに.......。｣
そっとコアを貫き、鎮魂させる。
この感じ、2年前を思い出す。
.......嫌な予感がする。
再度上空に飛び、紅丸を探す。
｢紅丸ー！！どこーーーー？！！｣
自分の声も出ているか分からないぐらい、
浅草は騒音に包まれている。
せめて誰かと合流しなくては.......。
でも今出来る最短での連絡手段は無い。
｢もうこうするしかないよ.......｣
『森羅くん、どこ.......？』
そっと尋ねると、全身がザワつく。
『Aさん？？』
｢.......あっちか｣
感覚が教えてくれる方へと進む。
｢.......いた｣
そっと降りると、森羅くんとさっきの少年が
鬼の焔人と対峙していた。
コイツ、2年前に見たのとよく似ている。
紺炉が灰病になったきっかけの焔人。
.............ぶっ倒してやる
｢2人とも無事？でもごめん、私、今は誰の声も聞こえないから一方的に話しかける！！コイツは私が殺る！！だから周りにいるであろう白装束を頼んだ！！｣
そう全力で叫ぶ自分の声すら聞こえない。
今までに無いくらい血が騒いだ。
｢さァ、祭りの始まりだ｣
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作者名：ぴぃ | 作成日時：2020年12月15日 21時
