現実はそんなに綺麗じゃない。 (ページ10)

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今日はさすがに飲みすぎたかな…

「紫耀からLINEだ…
もうすぐ終わるみたいだから駅で待ち合わせて一緒に帰ろうだって〜」

ミレイ「彼氏のお迎えくるなら
わたしはひとりでバーにでも行くよ！
今日はそんな気分だからね。
ちょっと可愛い男の子がバーテンさんなんだ。

じゃ、今日はありがと！」

タクシーにのりこむミレイと別れ、
駅方向に向かって歩き出す。

歩道にうずくまる人影がみえた。
酔っ払いかな？
かわいそうにーなんて思いながら通り過ぎようとしたその時。
うずくまっていた人影はパタリと横に倒れた。

「おおおおお、
大丈夫？大丈夫ですか！」

ほろ酔い気分の私もちょっとふらついてはいたけど、
突然の出来事にかけよってしまう。

真っ赤な顔をしてるけどまつ毛がながくて
可愛いピンク色の髪をした子、多分男の子。
てか未成年にしか見えないけど。

玄樹「お姉さん助けて
きもちわるい。さむい。ヴぉええええええええ」

「ちょっとまてまて、辞めてくれ人の腕で吐くのは！！タオルタオルタオル」

鞄をガサガサして
タオルを口元にあててあげる。

玄樹「死… んじ …ゃう。」

抱き抱えるような形で、
少年は息苦しそうに震えてる。
真っ赤だった顔が今度は青白くなってきた

「あのー？飲みすぎ？てか未成年？
慣れないお酒かな？
タクシー呼んであげるからお家かえんな」

玄樹「お金もってない…」

「はぁー？家に誰かいないの？
タクシーは後払いだから乗っちゃってお家の人に払ってもらいなよ」

玄樹「てか、…おう …ちもない」

「え、じゃあどうすんの！どこ帰るのいつも」

玄樹「お姉さんち連れて帰って」

「それは…彼氏と住んでるから無理！
えーまじどうしよ。
ねえほんと、どっか、ないの？友だちの家とかでも！」

腕の中の少年が目を開く。
吸い込まれるような大きな垂れ目だ。
一瞬みとれているうちに。
頭に彼の手の感触を感じたと同時に、
顔に引き寄せられ、
そっと彼の唇が触れる温度を感じた。