現実はそんなに綺麗じゃない。 (ページ8)

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それから1年半。
ほんとうに色んなことがあった。
紫耀はまずフリーターだった。
キャバクラのボーイとか引越し屋とか
もうなんかいろいろかけ持ちしてて。
紫耀いわく、
正社員で働くよりバイト掛け持ちの方が稼げる！とのことで。

大学の奨学金に、親への仕送りに、
後輩への奢りやらで借金があった紫耀は
とにかくいっぱいバイトしてなんとか生きてるような人だった。

努力家で真面目なのに、
人に優しくしすぎたり楽観的だったりで。

出会ってすぐからつい最近までかかって、
やっと細かい借金はなくなり、
就職活動を経て営業マンとして正社員になってくれた。

紫耀「俺、Aがいなかったら、
ずっとフリーターでもやりながら今日が楽しければいいやって生きてたかも。
Aとずっと一緒にいたいAと家族になりたいって思ったからちゃんとしようって思えた」

「違うよ、
紫耀は頑張り屋さんだったからだよ。
もう25だしね、私がいなくてもしっかりする時期だったでしょ」

紫耀「うーん。
でも。俺が今日も明日も頑張りたいって思うのは
Aとずっと一緒にいたいから

ねえA」

「うん、」

紫耀「結婚してね、
もっと稼いで指輪買えるようになったらだけど(笑)」

「ふふ(笑)
待ってるね(笑)」

実際、
こどもにもお年寄りにも優しくて、

自分の家族も、私の家族にも優しくて、

店員さんにも態度がでかくなったりしなくて
(これ重要)

家事も手伝ってくれて料理も上手くて
私がなにを作っても喜んでくれて。

ほんとに居心地が良くて。
紫耀といる生活は穏やかで、暖かくて。

結婚するなら、絶対に紫耀がいい。