みっつめ ページ3
「何で」
あれから何年経っても、私の病気は一向に良くならなかった。普通なら、薬であったり、他の療法で治るらしい。でも、私は全く快方に向かいはしなかった。それだけならまだしも、他の病気まで併発した。
「これ以上私に何を差し出せって言うんだよ……」
そんな呟きが漏れることも少なくなかった。それでも、薬は飲み続けた。少しでも貯めて仕舞えば、私は一気に飲み干そうとするだろう。それを防ぐためだった。
薬の種類を変え、量を増やしても、現状をキープするだけだった。駄目だ。そんなんじゃ意味がない。
前線に戻れないなら、ただ生き長らえても意味はない。でも、このままなら、何にもできないまま私は死んでいく。それを危惧したのだろう、私は様々な医療書を読み漁り、高卒認定も取って、医療を学ぼうとした。
きっと、頼ってもダメなら自分で探そうと思ったのだろう。でも、ヒントは何も見つからなかった。
「もう、何をすればいいんだろうなぁ……」
本と最低限の家具しかない部屋に、そんな呟きが響いた。
そのとき、あまり使われていない携帯電話が大きな音を立て、振動した。
「はい、もしもし」
電話に出たからといって、何か変わるわけでもなかろう、そのときの私はそう思っていた。
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猫谷川 - はい。ありがとうございます。 (2018年10月28日 15時) (レス) id: 3fcb13ae47 (このIDを非表示/違反報告)
硝子体(プロフ) - 猫谷川さん» ありがとうございます! 子供の性別は特に決めてはいないので、脳内補完してもらえればと。気ままに書いてみたりしますので、またお会いできれば、そのときに。 (2018年10月28日 15時) (レス) id: 63db8499a6 (このIDを非表示/違反報告)
猫谷川 - ありがとうございます!ゆう君?ゆうちゃん?も出てきてくれて良かったです。やっぱりいいですね! (2018年10月28日 14時) (レス) id: 3fcb13ae47 (このIDを非表示/違反報告)
硝子体(プロフ) - 猫谷川さん» 了解しました! 少しだけお待ちください! (2018年10月28日 7時) (レス) id: 63db8499a6 (このIDを非表示/違反報告)
猫谷川 - ではいいですか?その、もし元気だったらと考えてしまい泣いてしまったので勘九郎さんと幸せなところを読みたいです。 (2018年10月28日 2時) (レス) id: 3fcb13ae47 (このIDを非表示/違反報告)
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