道化の瞳―ﾎｽﾋﾟﾀﾙﾋﾟｴﾛ―2

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照史side



モンチが起きたのは、
たった30分後のことやった。



ゼェゼェ言わせて、咳も酷いし
おそらく吸入器じゃ
何も良くならへんぐらい。



急いでナースコールを押して、
中間先生に状況を伝えて、
必死にモンチの背中を擦る。



照「ん、苦しいなぁ？大丈夫やで」



頭を俺の胸に埋めて、
ギューッと目を瞑って耐えるモンチ。
「大丈夫やで？」とか「頑張れ」とか
そんな、言葉しかかけられない。



淳「照史さんありがとうございます！神ちゃん苦しいなぁ？？しんどいのバイバイする為にモクモク吸ってなぁ？」



大型ネブライザーに先生が急いで
薬をセットして、モンチにマスクを付ける。
ゆっくりと流れてくる薬が入った煙を
上手に吸うのは厄介で。
俺も昔入院してた時は
これが辛くて辛くてしんどかった。



淳「チックンするでー？」



汗もびっしょりで、必死に必死に
喘息と向き合うモンチ。
点滴もちゃんと我慢して
ホンマに、病気と向き合ってる子って
強い子やんな。



神「ｺﾞﾎｯ、ﾋｭｰｯ………ﾊｱｯ、」



淳「上手。お薬終わったら先生呼んでな？」



そう言って中間先生は俺に
「ありがとうございました」
言うてくれはって、お仕事へ。



モンチが手を伸ばして俺に甘えてくれる



照「よしよし、」



ネブライザーがあるから
今は抱っこ出来ひんけど、
頭撫でてあげたり、手握ったりは
この仕事に、大事やから。



照「寝られへんなら絵本読むか〜」



ボーッとしながら、こっちを見て
なかなか寝られへんみたいやから
中学生向けの絵本を1冊、
バッグの中から取り出して読んだ。


しばらくすれば、
絵本読んでる途中で、ぐっすり寝てもうた。



次はまた、元気な時に
一緒に絵本読もうな？、モンチ。

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