道化の瞳―ﾎｽﾋﾟﾀﾙﾋﾟｴﾛ―2

◇８０ﾘｸ ページ34

淳太side


のんちゃんの人工透析。
もうそろそろ、慣れてくる頃やろうなって
思っててんけど………




望「のんっ、げぇするっ……」



まだ人工透析中に、
吐き気がくるみたいや。




淳「ちょっとタオルで口抑えるな？」



多分、今は何も吐けへんから
背中を擦りながら棚からタオルを出す。



淳「のんちゃん、大丈夫やで〜？」




一向に止まらない吐き気。
吐きたいんやろうけどえずくだけやし。




望「んっ……うぇっ、」



淳「そろそろ吐く？？」



ガーグルベースを
のんちゃんの口元へ持っていく。



淳「大丈夫やからな〜！」



タオルをとりあえず取ってみると
のんちゃんが思いっきり
ガーグルベースに顔を埋める勢いで
吐き始める。



淳「頑張れ頑張れっ、」



望「んっ、う……うぇっ、けほっ、」



淳「のんちゃん上手やな〜？」




背中を少し強めに叩くと
上手に吐くのんちゃん。
体調悪くて聞いてへんかもやけど
褒めてあげるのも治療には繋がるから。



望「………もう、いい」



淳「じゃあ口元またタオルで抑えて、」



ガーグルベースの中の吐瀉物を
片付けに行く間、吐いてしまわんように
新しいタオルを口元に抑えて貰って。



淳「先生片付けて来るから我慢出来ひんかったら大毅も神ちゃんも流星も居るから頼りや？タオルに戻してもうても大丈夫やからな？」



笑顔でのんちゃんに伝えると、
「うん」とか細い声で返事してくれて
流星が「俺見てるから大丈夫やで〜」
言うてくれた。



ホンマ、みんな成長したよな…
これも全部頑張ってきたからやろうな。
切磋琢磨して、それぞれ容態が悪い時に
サポートして。




俺も、頑張らなアカンな…。

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