道化の瞳―ﾎｽﾋﾟﾀﾙﾋﾟｴﾛ―2

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淳太side



ナースコールが鳴り止まない日も
365日あれば、沢山ある。



今日はしげと流星が体調悪くて
戻してもうたり、発作が出たりと
とにかく忙しかった。



そんな忙しい日にふと思い出すのは




昔、医療過誤を起こしたこと……



父親の影響かつ、
中間家の長男として生まれたから
昔から『病院を継ぎなさい』言われて
将来の夢は皆がキラキラの夢を描いてる中


自分の夢なんて無くて
誰かに左右された『医者』やった。



研修医としての義務が終わって
この大学病院に来て、
1人の子供の死と向き合って
4人に出会った頃、



また俺はあの時のように
医療過誤を起こしたんや。




しげの輸血は本来ならA型やのに
流星の手術と重なってた事もあって
B型の輸血パックを誤って
しげに輸血してもうて………



ホンマに、しげにも流星にも
悲しい思い、させてしもうて。



やからその分、恩返ししたくて
必死に4人と病気に向き合って闘ってる。



でも、しげと流星は責めたりせえへんかった




『大丈夫やって、淳太先生！』




逆に励まされて子供に甘えまくって
ホンマに情けないな、って思った。



流「なぁ、淳太せんせっ………？」



淳「どないした？流星？」



流「またあれっ、思い、出したんっ？」



氷枕に冷えピタ付けて酸素カニューレ



明らかに体調が悪いって分かる流星に



どんぴしゃり、当てられてもうた。





昔から顔には出やすいタイプやったけど
俺、そんなにごまかせてない？？




淳「うん、そんなとこかな」



流「手、かして？」




流星にそう言われたから



近くのパイプイスに腰を下ろす。



流「だいじょーぶ、だいじょーぶ……^^」




流星が俺の手を優しく撫でて元気をくれる



流「先生、だいじょーぶ！」




自分が一番辛いはずやのに。




誰かに作られた道を選んで
決していいことばかりやなかったけど




今は、小児科医になれて良かった、って
心から、思えた________。

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