06 ページ8
・
あれから友達もそれなりにできたし、充実した高校生活を送っていた
席替えをしたので井田くんとは席が離れ、話をする機会もなかった
井田くんはバレー部に入ったと風の噂で聞いたけど、特にやりたいことが無かった私は部活に入らなかった
でも、昔から本を読むことが好きだったので図書委員に立候補した
委員会の仕事が無いときには青木と一緒に帰ったり、本を読まないあっくんが図書室に遊びに来たり、二人は何かと私を気にかけてくれた
そんなある日、図書委員の仕事が早く終わったので帰ろうとしたら外は雨が降っていた
『傘忘れた、、、』
朝少し寝坊してしまったせいで、天気予報まで気にかける時間が無かったからなぁ
図書室に戻って雨が止むまで待とうかな、でもこの雨止みそうにないな、なんて下駄箱で右往左往していると、
「上原さん?」
『えっ?、井田くん?』
そこにはエナメルバックを肩から掛けた井田くんがいた
井田「おつかれ」
『おつかれ、、、、井田くん、部活は?』
井田「練習早く終わって今から帰るとこ」
『そうなんだ、、』
井田「もしかして、傘忘れた?」
『あー、うん、でも図書室で待と「これ使って」
井田くんはそう言って1本の傘を私に差し出した
『でも、そしたら井田くんが濡れちゃうよ』
井田「俺、学校から家まで近いし、走って帰るから大丈夫」
『いや、でも、、』
井田「いいから、じゃあまた明日」
井田くんは私に無理やり傘を握らせ、雨の中に走って行ってしまった
私は傘を握りしめたまま、しばらくその場から動くことが出来なかった
・
続く (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←05
456人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちょこましゅまろ | 作成日時:2021年10月28日 17時