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君と初めて話したのは、高校生になって間もないときだった
私の通っていた中学からこの高校に進学した生徒は少なく、知り合いは中学から何かと絡むことが多かった青木だけだ
そんな青木ともクラスは離れてしまった
周りはもうすでに仲良しグループが出来ていて、人見知りな私は完全に出遅れてしまっていた
先生「じゃあ今から簡単な小テストするから、筆記用具以外つくえの中に仕舞えよ〜」
みんながテストの準備に取りかかる中、私はある重大なことに気づいてしまった
消しゴムが、、、無い!
うそうそ、昨日まであったよね?家に忘れた?いやでも、家で勉強した訳でも無いし、何で無いの?!
焦って筆箱の中をガサゴソと探していると、ポンっと机の上に消しゴムが置かれた
『えっ?』
「これ、良かったら」
そう言ったのは、前の席の井田くんだった
『でも、井田くんのは?』
井田「2個あるから大丈夫」
『そうなの?ありがとう!』
井田くんと喋ったのはこれが初めてだった
教室で誰かと話してるのあんま見たことないし、井田くんも友達いないのかな?
でもあんな風に消しゴム貸してくれるタイプだなんて思わなかったし、意外と優しいんだなぁ
その時間は井田くんのことばかり考えて、テストに集中できなかった
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作者名:ちょこましゅまろ | 作成日時:2021年10月28日 17時