スノウループ (ページ7)

今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:7,937 hit

金曜日ページ7

学校が終わり、私が帰ろうとしたら後ろから

｢Aちゃん、明日10時に校門だからね！！！｣

と話しかけてきた。

｢分かってるよ笑逆に宏介が遅刻しそう｣

暫く2人で笑いながら歩いていたら

｢聞き捨てならないな。｣

田淵さんがいつの間にか後ろにいた。

｢聞き捨てならないって？｣

｢集合が10時なんだけど。｣

｢え、うんだから10時に校門の前って……｣

私が頭の上に“？”を並べていると

｢違う違う。10時にファミレス。鈴木くんも10時にファミレスに来るよ。｣

その言葉を聞き私は静かに宏介の方に顔を向けた。

｢あれ、、？あはは～間違えちゃったみたい！｣

ごめんごめんと顔の前で手を合わせながら私に謝ってきた。

｢2人して遅刻するところだったね笑｣

｢斎藤くん……。｣

｢そんな顔で見ないで笑｣

田淵さんはジト目で宏介を見ていた。
私はその光景に思わず吹き出してしまった。
･
･
･
3人で話しながら歩いていると、どうやら宏介は電車通学らしく、田淵さんは私と同じ方向だった。
宏介と明日は9時30分に校門ねと約束をし、今は田淵さんと歩いている。

(そういえば、、桜のあの道今日は無理かな…)私が考えていると田淵さんが急に｢Aちゃん！！聞いてる？さっきから呼んでるんたけど！｣と大声で言ってきた。

｢わっ！！なに？！田淵くんどうしたの！？｣

｢どうしたのじゃないよ。Aちゃんの帰り道すぎてるけど？｣

そう言って、田淵くんは桜のあの道に出る道を指さしていた。

｢なんで知ってるの？？｣

｢いや、昨日たまたま見かけて。別にストーカーとかじゃないから。｣

｢あの道からじゃなくても帰れるから大丈夫｣

｢そう。じゃあ行こ。｣

田淵くんはそう言い、また歩き出した。

無言のままは辛いので｢LINE交換しない？集合時間とか田淵くんの方が正確だし、多分。｣私はLINE交換を求めてみた。

｢あ～ごめん、僕スマホじゃないんだ。メールだけど良い？｣

そう言い、ガラケーをパカッと開いた。(ガラケー珍しいな……)心の中で呟き、メールを交換した。

｢あ、私この家だから！また明日ね。｣

そう言うと何故か田淵くんはまん丸の目をまた更に丸くしていた。