擦れた女 落とし方 【宮 侑・宮治】

_ ページ17

_



スマホを覗き込めば、マッチングアプリ









『……は？なんやソレ』


『………へぇ』




それ、俺らがおる前でやるか？普通




「んー、マッチングアプリ……
働きたくないからさぁ」




そんな結婚したいんなら…
待ってくれたらするのに


『……俺が卒業したら養ったる』


『……はぁ！海外とか行きたないん!?
俺とおったら行けるで？』



アイコンを見れば……
俺らに引けを取らん程度の顔の男と
やり取りを始めた



『……待てや』



スマホを捕み
俺らに見下ろされながら


顔色を変えずに




「なに？」



『俺らの気持ち蔑ろにされるんは不快やわ』



『せやなぁ…
そんなあからさまに逃げられたら
追いかけたくなるやろ』



圧をかければ


「………は？」





間髪入れずに帰ってきおった





「ねぇ、言いたいことはそれだけ？
ここ、私の部屋なの理解してる？」



なんや、この女。

ほんまええ加減にせ……


『……は？今関係なｯ



スパーン!!


ぶへッ……はぁあ!?』



ビリビリと痛む頬



アカン、初めて女に殴られた



「侑だっけ？調子のんなや」





目を見開けば


冷たい顔で俺らを見下ろした





治の目の前にしゃがみ










胸ぐらを掴み、
耳元で囁き問いかけた



「…治君、なんか文句ある？」




『……ないです。』




「侑…？嫌いになるよ」



頬を撫でながら
耳元で囁かれ


ゾクゾクとする感覚



アカン……飴と鞭がエグすぎるやろ……



「ねぇ、そろそろ
私お風呂に入って寝たいから」





あまりの圧に、




『……はい……おやすみなさい』





俺らは帰った。




_




『なぁ、ツム……俺……めっちゃ
尻に敷かれたい』



『……俺もや……めっちゃタイプ』

_→←_

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す