云うなれば… 弍〈夏目友人帳〉

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『……今からでは、
妖がうろつき出すので
明日買いましょう。
それまで、浴衣で我慢してください』



和服を渡され




「いえ、ありがとうございます」


制服や下着を渡せば
明日までに渡せるようにすると言われ
うなづいた




屋敷の中全てが
ゾワゾワとする感覚




『女性なので、色々相談事があると思うので
成瀬に話してください』



そう言われ
年配の女性が私の前に立った


「よ、よろしくお願いします」



『アンタも大変だね。
その業を背負って』



第一声がそれで
少し驚いたが


なんだか、ストレートに言われ
安心する


「……ふふ、なんだか
人間味のある人で安心しました」




『的場当主は人間味ないって？』


クスクスと笑い私を
見つめた成瀬さん


「あ！いえ……えと！その……」

裏を返せば……いや、
裏を返さなくてもそのままの意味だ！


言い訳も出ずに


戸惑っていれば




『嘘だよ、冗談さ』



ふっと笑い、前を歩き出す成瀬さん



この数秒で分かったのは
成瀬さんはかっこいい！



ということ





「成瀬さんも見えるんですか？」


『見えないと、ここには居ないさ』


そう言われ、やはり
私だけなんだと
少し疎外感と、劣等感を感じていく

「……そうですよね」



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