愛しの親父殿 (ページ5)

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Aは14歳になった。

女の一面を表しつつある体

尚も変わらず小さな頃の名残のせいか
まだ一緒に寝る

本を読む量は増えていき
外に出る事も億劫な引きこもりに成長した。

相変わらずリリアとの二人暮し

リ「帰ったぞ。くふふ
1人で留守番はできたかの？」

「私もぅ、14だよ？
リリアに言われなくてもできるし！」

リ「そうじゃなぁ、この前まで
抱き抱えていたのが嘘のようじゃ」

身長も近くなり
兄妹のような見た目

「今日のご飯はなぁに？」

リ「そうか、そんなに腹が減ったか
今日はシチューとゆう名のものを
作ってみようと思ってな」

「リリアって料理好きなんだね」

リ「ワシが作らねばAは、
死んでおったぞ
これぞおふくろの味じゃ！」

「変なリリア」

他愛の無い話は終わり
リリアは考えていた

もうすぐ巣立たせることを。

リ「のぉ、Aよ
街に降りてみないか？
お主ももう14じゃ、」

「なぁに？年齢関係ある？
私は人混みなんて行きたくない」

リ「新しい本なんて買いに行かぬか？
どうじゃ？見てみたくないか？」

ニヤリと笑うリリア

「んー、書物は沢山あるから
別に必要ないよ」

リ「では、こーするのはどうじゃ？
図書館に行かぬか
書物なら沢山ここよりもあるぞ
古代書物も展示しておるぞ？」

「……リリアなんで急に？」

少し濁すかのように、真意を言わない
リリアに少し違和感を覚えた

リ「なんとなくじゃ！
ワシの気分だ。
とりあえず明日出かけるぞ」

ニコニコと笑うリリア

黒いいつものスープを飲みながら
明日の強制的な約束を取り付けられた

違和感は残りつつも
久しぶりの外に気が乗りしないA

今日もまたリリアの傍で眠りにつく

なぜか不安で仕方ないA

「りりぁ……手繋いでねたい」

『ふふ、久方ぶりじゃのぅ
どうしたんじゃ？』

「……不安なの」

『……くふふ、案ずるな』

そっと頭を撫でAを眠らせる

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