愛しの親父殿 (ページ25)

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6ヶ月後

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リリアのお陰で少しづつだが
眠れる時間も増え
夢を見なくなった。

「リリア、暇なんだけども」

『そうじゃな、ならば旅に出ぬか』

「旅……？行ってみたい。」

初めての経験。
初めての他の世界。

ワクワクしながら
少しの恐怖心を抱きつつ
好奇心が勝った

『2人で初めての旅行じゃ！
きっと楽しめるぞ
どこ行きたい？』

「んと、綺麗で何にもなくて
リリアとゆっくり過ごしたいかな…」

『うむ！承知した！
では、熱砂の国なんてどうじゃ！』

「本で読んだよ！泥棒とお姫様の恋！」

『お主……意外とロマンチストじゃったのか！
ふふふ可愛いらしいのぅ』

「……や。そゆのが
好きとかでなくて!!その…」

言ったことが子供っぽくで
不意に恥ずかしくなった。
確かに王子様は憧れるけど…
そんなの現れてくれるほど現実は甘くない

リリアと目を不意に合わせると
少し考えたようにこちらを見ていた

『王子様が来なければワシが
貰ってやろう。
安心せい!!えっへん！』

得意げな笑顔を向け
頭を撫でられた。
その言葉に胸を躍らせた自分がいた。

きっと家族だから

嬉しくなったんだ。
その優しい言葉に

「お言葉に甘えて
リリアと結婚するふふっ」

と笑って返した

…