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#彼氏と雨宿りなう(川西) ページ13
最悪だ。
よりによって傘を忘れてきた日。
会社から出て歩き出した途端、バケツをひっくり返したような雨が降ってきた。
｢最悪。｣
タメ息ひとつついて仕方ないから、雨が収まるまで近くの駄菓子屋の屋根で雨宿りをすることにした。
｢(人1)やーん！！！どしたん？？｣
紺色の傘。賢ちゃんだ。
｢賢ちゃん！？｣
目をぱちくりさせてるあたしに柔らかな笑顔を向けて、
｢(人1)、傘忘れたやろ？絶対ここで雨宿りしてんやろうなぁー。って思ったんよ｣
取り出したタオルであたしの頭をワシャワシャ拭く賢ちゃん。
｢……ありがとう｣
照れくさくて、雨音にかき消されてしまいそうなくらいの声量で呟いた。
｢なんか言った？聞こえへんからもう一回言ってくれへん？｣
ニヤリと笑う賢ちゃん。この顔はいじわるな賢ちゃんだ。
言葉を紡ぐ前に、賢ちゃんの唇によってあたしの言葉は音にもならなかった。
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作者名：まりぃ | 作成日時：2018年2月18日 23時
