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突然ですが【夢月 瑠兎/瑠雨琥】 ページ17

静かな丘に少々時期外れな桜の花びらが舞っている。
自分は何故ここにいるのだろう。
虚無感に駆られながらポケットを探る。

あった。

コンパクトサイズの黒い箱を開けて細い棒を取り出す。
今日何本目だろうか。…もう数えきれないほど吸ったのかもしれない。
急いで片方のポケットを探る。

ない。

煙草とは反対にプラスチックの感覚がない。
手をいくら動かしても出てくる気配は無し。
はぁ、と溜息をつき不思議に上を向く。

「…あ」

大樹の枝に寄りかかっている少女が一人。
年齢はそんなに変わらなそうだが綺麗な黒髪のポニーテールにワンピースと大人びていた。
自分の中で決意を決め声をかける。

「あのーそこのお姉さんー?」

お姉さんはちらりと振り向き私の方を不思議そうに見つめる。
その顔は私よりも大人びているように見えた。

「…はい」

「ライター持ってませんか?」

訝しげな顔でこちらを見た後ない、と一言。
そうですかぁ、と残念そうに吐けば相手は少し罪悪感に駆られたのか顔が曇る。
謝るために自分もお姉さんの横に腰掛ける。

「あーごめんなさいね、急に言っちゃって」

「…いえ」

同じ匂いがした。

能力者の匂いが。

ただここで聞けるほど私は肝が据わった奴ではない。

「綺麗ですね…ここ」

「そうですね」

お姉さんは何か考え事をしていたのか生半可な返事が返ってきた。
申し訳ないことをしたなと思いながら再び黒の箱をポケットにしまい込んだ。





p.s

ミント様勝手にお話に出してしまい申し訳ありません…。

お礼【鬼神 無黒/Mukuro444666】→←久しぶりに【神楽 扇歌/ミント】



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omizu@中性(プロフ) - 更新します! (2020年2月9日 18時) (レス) id: 0065c6f29f (このIDを非表示/違反報告)
紫龍@トニック割り - 更新しました。次で50話!! (2020年2月9日 17時) (レス) id: d104d608cb (このIDを非表示/違反報告)
紫龍@トニック割り - 更新します。 (2020年2月9日 17時) (レス) id: d104d608cb (このIDを非表示/違反報告)
ユウミ - 更新します (2020年2月9日 15時) (レス) id: a98216d38d (このIDを非表示/違反報告)
天秋(プロフ) - 更新しますm(_ _)m一日に何度もごめんなさい! (2020年2月9日 13時) (レス) id: f69f9f0f1e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:omizu x他6人 | 作者ホームページ:無い。  
作成日時:2020年1月24日 19時

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