毒は私【瀬戸内帝華/蓮@雫3318】 ページ38
さっき来た新しい子に視線を送られる。
「皆、一人ぼっちなのかな…。」
そんな言葉が聞こえ、私はゆるりと其処に視線を向ける。抱えていた人を地面に置いて、そして、音もなくその子に近づいた。
「こんにちは。初めまして」
よくやっていたこの行為。音もなく飛んで着地する。蝶のように舞えた気分になるので好きだった。
「…?!」
すると案の定その子が驚いて、少し私も目を見開く。だがそれも一瞬ですぐにまた質問する。
「貴女、さっき私をみてたけど…何処かで会ったかな?」
と聞く。するとその子は小声で
「…分かりません」
と言った。そっか、と短く返して先ほどから考えて居たことを話す。
「此処に居る皆さん。折角なので、お花見しません?」
と、聞く。すると本日何回目かのポカンとした視線を送られる。
「…此処に集ったのも何かの縁。いいでしょ?」
と、決定したように話す。強引でごめんなさい。
「好きなモノは今其処に居る黒服に伝えて下さいね。」
と、いつの間にか居たボディガードに視線を送る。そして私はニヤリと笑い
「私の名前は瀬戸内帝華。年は15。好きなモノは賭け事と寝ること。仲良くしません?」
と、話す。無理矢理の全員参加だ。
…全員参加して幾分か時が過ぎた頃、誰かが私に話し掛けた。
要約すると「お前は金持ちの力を手離さないのか?」と、話し掛けられた。
私は、ゆっくりとコップを傾けながら、中の氷を指で弄ぶ。
私はギャンブラー。手札が多ければ多いほど燃える人種。その手札は絶対に話さない。
…貴女も、その手札なんですよ?
心の中で返事をしながら、ゆったりと微笑む。
私が微笑んだ気配を感じ取ったのか、その人は何も言わず離れていった。
…どうやら、今日はいい日らしい。
私はコップの中の甘ったるい飲み物を飲み干した。
まるで毒に酔いしれるように。
さて、この人達にとって、何処に行っても毒な私はどうなるのだろうか。
はぐれもの【神月いのり/ユウミ】→←丘の上で【叶胡天秋/天秋】
1人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
omizu@中性(プロフ) - 更新します! (2020年2月9日 18時) (レス) id: 0065c6f29f (このIDを非表示/違反報告)
紫龍@トニック割り - 更新しました。次で50話!! (2020年2月9日 17時) (レス) id: d104d608cb (このIDを非表示/違反報告)
紫龍@トニック割り - 更新します。 (2020年2月9日 17時) (レス) id: d104d608cb (このIDを非表示/違反報告)
ユウミ - 更新します (2020年2月9日 15時) (レス) id: a98216d38d (このIDを非表示/違反報告)
天秋(プロフ) - 更新しますm(_ _)m一日に何度もごめんなさい! (2020年2月9日 13時) (レス) id: f69f9f0f1e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ