この無慈悲な世界に能力で希望を【リレー小説】

暖かい【七瀬コハル/ミコトまんじゅう.】 ページ13

「ねぇねぇ皆、桜は好き？」

そう口を開いた瞬間、大体の人がコハルに注目してきた。
そのためあまり人と話したことのないコハルは固まってしまった。

しかし、先程の問に対して答えてもくれた。
桜は綺麗で好き、と答える人もいれば、綺麗だけど嫌い、と答える人もいる。

「(桜が嫌い、なんて言う人初めて…)」

嫌いならずっと咲かせておくのは駄目だな、と思いコハルは満開の桜をぱっと散らせ、元の大樹に戻した。
桜の花弁がはらはらと散る。
「(散っていく桜も、綺麗だな…)」

そう思いふけていると、ある一つの気配が丘の下から感じとれた。

知らない、感じたことない。
でも、衰弱してる。
皆も感じとったかのようにその気配__人を助けようとしてる。
皆の話からすると、ここまで運んで寝かせる、ということらしい。
自分には人を満足に運べるほどの力は無い。
なら…


「寝かせるなら、ここで眠らせてあげて…ここなら暖かくて、芝生よりふかふかで、少しはいい夢が見れそうだし…！」

そう言うと、大樹の根元へ絨毯のように沢山の花を咲かせ、人一人が横になれそうな暖かい空間を作り上げた。

能力【一夜闇@紫龍】→←状況が理解できない【メドゥーサ/如月碧】

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