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先週の金曜日の放課後に見た綺麗な男の子。一体どこのクラスの人なんだろ。
そもそも同じ学年なのかすら分からない。
こういうときに知らない人にはあまり興味を持たない性格が憎い。
月曜日の学校、休み時間にそんなことをぼうっと考える。
すると突然おでこにピシッと小さな痛みを感じる。
「いったい！」
「ははっ！アホヅラ〜」
「もー！樹やめてよ！
ったぁ〜…」
「デコピンでそんな痛がんなよっ。
ごめんごめんって、あまりにも気が抜けてるから面白くて。
なに、なんかあったん？」
おでこを擦りながらにらめば、可笑しそうに笑い私の前の席の子の椅子に座る。
子供みたいなことをするけれど、何十年もずっといたから私が悩み事とかしているとすぐ見抜いて話を聞いてくれる。
樹って意外とそんな優しいところがある。
けれども今回の件は私も謎だ、この感じはなんなんだろう。
「いや…わかんない。」
「はぁ？なにそれ、意味もなくぼーっとしてんの？」
「うん…なんだろうね。」
「…Aって頭いいのにたまにアホみたいな発言するよね。」
「樹にアホって言われたくない…」
「なんでだよ！」
結局樹には言えず、授業中もぼうっと彼のことを考える。
もしかして、また図書室に行けばいるのかな？
元々図書室にはほぼ毎日行っていたし、別に違和感はない。
よし！あの人の正体つきつめてやる！そしたらこの気持ちがわかるかもしれない！
そう決心し、昼休みに本を読む楽しみと彼を探す楽しみの両方に胸を弾ませ図書室に向かう。
もちろんだけど部屋は静かで何人かが本を読んだり、選んでいた。
カウンターにはこの前の委員会にいた子達が座っていて、私を見るとおつかれ、って声をかけてくれる。覚えてもらえてた…よかった…！
なんとなく安心しながらもキョロキョロと辺りを見渡し彼を探す。
席には…いない。
本を探すついでに本棚の方へ向かう。
「えっと…いた！」
もちろん読む本は探した、探したよ？
だけれども意識はそれよりあの人を探すこと。
そしたら今日も1列前の本棚にいた。
今日も昨日と同じ位置。彼の背中を眺める。
今日も見られた。
なんて名前なんだろう？
どんな本が好きなのかな？
彼を見つめながらぽんぽんといろんなことを考えれば頬と胸と握った両手が暖かくなっていく。
今までは本を読むのが楽しみに来ていた図書室だったのに、新たに別の楽しみができそうだ。
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作者名：ぴこら | 作成日時：2018年5月4日 23時
