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しばらく話続ければ、ふと時計を見る。
もう30分くらい話し続けていた。
別に遅くなっても平気だろうけれど、そろそろ鍵を返しに行った方がいいか。
時計を見る私の動きに松村くんもつられて時計を見ると、私の考えていたことを察してくれたようで「あぁ」と声を出し、カウンターについていた手をあげる。
「時間結構すぎてたね、ごめんね。」
「いや、大丈夫！むしろなんかごめん。」
「なんでAさんが謝るの、俺が勝手に話し始めたんだから。」
いや、その話しかけてくれたのが嬉しすぎたんだって。
もっと時間が長ければよかったのにと悔しい。
それじゃあ、と言って松村くんが私に背を向ける。
緊張していたから一気に肩の力が抜けて、息を吐く。
けれどなにかに気づいたようで、ぴたっとその場に止まるとまた振り返る。また私の背筋が伸びる。
「Aさんって担当の曜日金曜なの？」
「え…うん。」
「そっか…というか当番1人？普通2人じゃないっけ？」
「お昼はもう1人当番いるんだけれど放課後はその子部活あって私だけなんだ。」
「ふーん…あとさ、他の曜日でも結構図書室来るの？」
「そうだね、割ときてるかも。」
「へぇ…分かった。」
そう言い、綺麗な形をした口元を小さくあげると松村くんはまた背を向け、部屋を出ていく。
ぱたりとドアが閉まった後、首を傾げる。
最後の質問はなんだったんだろう。
しばらく考え、はっとする。
「え…嫌われた？避けられる…？」
その曜日だけは絶対来ないとかされたら本当辛すぎる…！！
あわわと焦るけれどもまたハッとして一旦深呼吸する。
いかんいかん、ネガティブな考えをする癖が出てしまった。
机に頬杖をつく。
嬉しかったなぁ…また話せないかな？
ニマニマとしながら視線をずらす。
時計が見える。
「…あぁ！！鍵閉めなきゃ！というか作業！！」
慌てて立ち上がる。
結局先生には少し注意されたけれど、あの幸福を考えれば全然気にならなかった。
委員会半強制だったけれど入れてよかったなぁ…
next
続く (更新停止中)
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作者名：ぴこら | 作成日時：2018年5月4日 23時
