あの音に惹かれて2【テニスの王子様】

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演奏も終盤にさしかかり周りも黙って聞いていた。みな魅了されて言葉も出ないのだろう。そんな中で


「跡部せんぱぁい。来てたんですねぇ。」


１人の女が口を開く。一応小声ではあるが耳障りだ。

「おい、西原。静かにしろ。」

「えぇ。いいじゃないですかぁ。」


氷帝２年の西原。学園内でも噂になるほどの男好き。いわゆるミーハー。
最近、鳳にも近付いているらしい。まあ、鳳は口を開けば「宍戸さんが…」としか言わない奴だ。心配はしていない。
まだ、こいつは危害を加えないだけマシか。


「だってアタシ、音無さんの演奏なんか興味ないし。今回だって由美先生に会いに来ただけ。跡部先輩もそうでしょお？音無さんなんかどうでもよくないですか？」


その言葉に心底イラつく。口には出さないだけで。こいつが男で場所がここじゃなければ殴っていたかも知れない。別に音無だからじゃない。人の演奏をバカにしたことに腹がたっているのだ。


「邪魔だ。黙れ。」

「跡部先輩ひどぉい。アタシ泣いちゃいますよ？」



上目遣いで見てくるこいつから離れたくて場所を移動した。

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