あの音に惹かれて2【テニスの王子様】

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「あれはこっちで………これは捨てようかな。」


引っ越しのための準備をする。服や本などは整理できたが小物やアクセサリーがまだだった。気に入っているものやもう長い間使っていないもの。値段が安いものや高いもの。
そんな中で青いペンダントを見つける。




あの日、まだ幼いころコンクールで名前も知らない金髪の男の子が親のいないところでこっそり渡してくれた。大人っぽいデザインで最初はよく分からなかったが今になれば結構好きなデザインだ。深い青は見ていると吸い込まれそうになる。あの頃はまだお父様もいて毎日が幸せで………



そこまで思い出して止めた。
馬鹿らしい昔は昔、今は今だ。



結局、だいたいのものを捨てられずに荷造りは完了した。


「Aちゃん。いいかな？」


貴明さんか……。まあ、母よりましだ。


「はい、何でしょう。貴明さん。」

「荷造り、手伝う事あるかと思って。」

「いえ、大丈夫です。ありがとうございます。」


貴明さんか……別に悪い人ではないのだろうが何故か信じられない。絶対裏がある。


「少し話さないかい？」


はい、と答えつつ席を出した。

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