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髪の毛を結んだおかげでスッキリとした首元にふわふわとした髪の毛が触れる

少し後ろを向けば見覚えのありすぎる茶髪。

A「何？」

栄純「ごめん」

A「なんのこと？」

栄純「だから…その…昨日のこと」

いつもなら馬鹿でかい声で話しかけてくるのにこういう時は声がすっっっごく驚くほど小さい

眠いのか、それとも顔が合わせにずらいからなのかAの肩におでこをくっつけてくる

A「嘘つき」

栄純「ぐぬっ……」

A「でも、怒ってないよ」

栄純「ほんとか！！」

正直体重が結構かかってて重いからキツイがちょっとだけ今回は我慢。

Aがいつもの通り怒ってないよと言えばすぐにぱっと明るくなって

いつも通りのバカでかい声量に。

A「声がでかい」

栄純「すいません！！！！！！」

A「だからでかいって」

さっきまで珍しく落ち込んでたのに

復活するのが早いというか、ちょろいというか

A(犬みたい……)

こういう所が犬っぽい。

憎めないというかがっつり叱ることが出来ない

でもあれくらいで本気で怒ることはないし、今はもう怒ってないのは本当のこと。

A「眠いの？」

栄純「なんか…疲れすぎて逆に寝れねぇっていうか…それもあるけど、嫌われたかと思って」

A「ん？」

栄純「ん！」

Aが自分のことを指さして首を傾げると

そうだ！と言わんばかりに頷か返す栄純

疲れきって寝れないのもあったがあの件でAに嫌われちゃったんじゃないかと

気にしすぎてしまって寝れなかったらしい。

栄純「ただでさえ返事聞けなくてモヤっとしてんのに」

A「……………好きだよ」

栄純「え？」

また肩におでこをつけてきた栄純をちらっと見てからさっきの彼に負けないくらい

小さな声で呟いたA

その4文字はあまり大きな声で言えるような言葉ではない。

A「あ、もう時間だほら行こう」

栄純「え、いや待っ、はぁ！？なんだよそれ！！」

聞こえるようで聞こえなかった4文字

ずーっと待ってるのに、はっきり言ってくれないからまた待ち続けることになる。

A「眠気覚めたんじゃない？」

栄純「覚めっ…覚め……覚めてる！！」

A「ほら行くよ」

でもあとちょっと前に進んでもいいんじゃないだろうか