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A(結局あの後騒いで終わった……)

合宿3日目 12月25日

昨日の夜Aが脱衣所にいるのにも関わらず1部の部員が入ってきてしまう事件が起き

あのあと栄純が必死に自分は見てないと主張するものの面白がった御幸に何色だった？と聞かれ

ついうっかり素直に「ピンクに白レース」と答えてぶん殴られた。

─本当に見てないの？

─み、見てない！！俺がお前に嘘ついたことあったか！？

─怪しい…てか嘘ついたことあったよ普通に

─なぁ沢村、何色だった？

─ピンクに白レースでしたね

A「結局見てんじゃん」

あの時驚きすぎて硬直してしまった自分にも非があるとは自覚している

でも向こうも向こうですぐにあの場から去って欲しかった気持ちがあり複雑な胸中なことに変わりはない。

A「髪の毛、結わないと…」

ぼんやりとする目を擦りながら暖かい布団からなんとか顔を出す

日が重なる度に寒さが増していき、

部員と違って激しい運動をしていないAは寒さに身を震わせることが度々ある。

みんなと一緒に運動すれば暖かくなるのに、なんて考えるが……

A(あの練習をやれと言われたらちょっと考えちゃうよなぁ)

A(みんなにはなんか申し訳ないけど……私があんな練習やったら体も心もぶっ壊れそう)

それはそれでちょっと気が引ける

どちらも頑張れば耐えられるものだが寒さに耐えるか、あの練習に耐えるか選べと言われたら

きっと数時間の寒さに耐える方を迷いなく選ぶ。

A「あ、金丸！秀明おはよ！」

金丸「おう……おはよ…」

東条「おはよう、A」

A「金丸死んでるじゃん」

金丸「身体中が痛てぇんだよ」

部屋を出てまず先に会ったのは同級生の金丸と東条

合宿の身体的疲れがかなり蓄積してきたのかさっきまで寝ていたはずなのに疲れきった顔をしている。

A(あれは相当疲れてるな…金丸もだけど秀明も相当疲れてそうだし、1年生だし仕方ないとこあると思うけど)

ほんの少しの長さの髪を無理やり束ねたのを気にしながらゆっくり歩いて先を行く部員たちのあとについて行く

そんな時

A「重い……」

急に肩がずしっと重くなった

ほんの少し後ろを振り向き、視界に入ったのは

所々はねたままの茶色頭。