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A「叔父様…どうして…」

「母はああだが私も間違っているとは思うがだがもう私の場合は遅い、君ならまだ若い」

「選ぶことが出来る」

Aの叔父はAの母親が死んだ時

他の親族たちのようにAを否定するような言葉をかけたりはしなかった

Aには好きなように自由にいなさいといい、金銭的に苦しくなったら頼るといいと告げた

最低限のサポートはしてやれると。

「妹は相手に恵まれなかった、でも君ならきっと大丈夫だ思う存分学生生活を楽しみなさい」

A「相手…って、いやあのこれは…！！」

「このような家庭で辛い思いや不安な思いにさせて済まなかったと思っている、力になってやれなかったことも」

疑い深いAだが

叔父に関しては嘘をついているとは思えず

心の底からそう思っているのだろうと確信を持てた

Aの母親と同じであの人の腹から生まれたとは思えないくらい優しい人だ。

A「叔父様、ありがとうございます」

「色々なことは私が全て引き受ける」

「それと、君にはこれを」

学校に関するあれこれや

家のAに関する色々なことは今後全て叔父が背負ってくれることとなった

そうすれば余計なことはされないだろうと。

そしてAに手渡されたのはひとつの紙袋。

A「これって、母さんの捨てたと思ってたのに…！！」

「山ほどあった遺品のほんの一部だ」

A「アルバムに…袋に…こんなに…あるとは思ってなかった、つい全部捨てられたものかと」

あの日、葬儀が終わって数日後

全て捨てられたとばかり思っていた母親の遺品

その一部が叔父の手によってまだ残されていた

Aの写真の入ったアルバムと、小さな袋、それが紙袋の中身。

「それじゃあ、私はこれで失礼するよ」

A「お見苦しいところをお見せしてすみませんでした、そしてありがとうございます」

「いいんだ、君はやはり妹に似て頑固でしっかりしていて強い子だな」

A「なら…よかったです」

それだけ言うと叔父も帰っていった

現実離れしたような話が全て片付き、これでやっといつも通りに戻れた

Aはもう何も気にすることがない

完全に普通の女の子にやっとなれたということだ。

A「なんか…どっと疲れた」