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樹「すごいですね、あのボール」
カルロ「形がないというか野生というか…」
鳴「どう見ても急造投手だろ、すぐボロが出るさ」
─4回の裏 薬師高校の攻撃は
─4番 ピッチャー 轟君
甘い球なんか投げたら見逃さず即打ち返してくるであろう4番打者 雷市が
この回の先頭打者
ランナーがいない中での勝負、これは攻めるしかない
御幸(ランナーがいないこの場面、大胆に攻めることは出来るがコイツ…今シンカーのことどれくらい頭にある)
御幸が川上に出した指示は
"まずは初球、インコースに厳しく"
純「いけるじゃねぇか！！やり返しやがったな！！」
亮介「惜しい〜」
雷市「カハハハハ！これでおあいこ！」
顔面スレスレに投げたインコース
雷市と川上という同じポジションの2人はこれでおあいこ…とも言える
雷市「友達…？」
雷市の友達という言葉にものすごい勢いで首を横に振る川上
何がなんでもなりたくないのが今の行動に出てる
それはともかく、今の投球は少し余計な力が入っていた。
御幸(インコースにスライダーさっき打たれたコースよりも低く！)
川上(力強くかつ正確に、このバッターにコントロールミスは命取り！！)
2球目に投げた球も力みが抜けずツーボール
ランナーがいないのにこの状態はちょっと心配になってくるが…
樹「さすがに警戒してますね」
鳴「意識しすぎ、てかビビりすぎ」
先頭打者である以上、簡単に歩かせるわけにはいかない
けどこのバッターは別で攻めた結果歩かせるのは仕方ない
御幸(外れてもいいから力のあるボールを！)
A(アウトコースでストライク、今の球はよかった！)
腕が振れてるとわかった御幸が次に出したサインは…
─シンカーを解禁しようと思う
─あの2人にここまで置いてかれるとね、焦るしやっぱ悔しいよ
御幸(お前の気迫はみんなに届いてる)
御幸(来い！さっきと同じコースにシンカー！)
この秋に解禁したシンカー
置いていかれたくない
悔しい、焦る、勝ちたい
全ての思いが乗っかったその球は…
A「打たれた…！！」
強く踏み込まれ、打たれ
レフトの頭上を飛び越えてスタンドへホームラン
これで薬師に1点を決められた。
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作者名：ちあき | 作成日時：2020年7月28日 22時
