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A「間に合った、セーフ…」
A「これで大逆転、試合をここに来てひっくり返した！」
春市から御幸へ、御幸から前園へ繋ぎに繋いで試合がひっくり返り
9回表でツーアウト、後がないくらい追い詰められていた青道が崖っぷちからの大逆転
5番前園がセカンドの頭上を超える2点タイムリーヒット
A(一時はどうなるかと思ったけど…春市くんと一也とゾノ先輩がそれぞれ繋いでくれた)
A(本当に本当に、挑戦者)
みんなが盛り上がる中
ホームへと突っ込んだ御幸は今も尚、その場で俯いたまま
そこでAは御幸が怪我をしていた現実を思い出し喜びたい気持ちがある反面、素直に喜びきれずにいた
A(というか…なんで一也、立ち上がらないの？)
A(もしかして怪我、本当に本当に悪化しちゃったんじゃ)
本来ならば試合に出られないくらいの重症を負っている中
チームの勝利のためにとグラウンドに立ち続けた御幸
肩で大きく息をする彼の様子を見て心配した白州が近づく
白州「おい、御幸…！」
するとまだ肩で息をしつつもドンドンと地面を叩き始めた
まるで色んな感情をその場に叩きつけるように、何回も何回も繰り返し
ついに顔を上げた御幸は─
倉持「あの野郎びっくりさせんな！」
今までで1番の笑顔を浮かべ白州にグーサインを送った
怪我が悪化したのかと心配したがそれよりもやはりこの瞬間この結果の喜びが大きかった
きっと御幸本人もそうだろう。
A(きっと今すごく痛いだろうに、頑固というか強いというか)
A「全然勝ってないよやっぱり一也は強いんだから」
スタンドに向けて大きく拳を掲げる御幸
Aの目にはまたしてもその光景が夏の大会でチームを引っ張ってきた頼れるキャプテンと重なっていた
Aにとって御幸はもう、最高に頼れる強いキャプテン。
A「私、キャプテンに弱いのかもなぁ」
学校での練習試合では必ず打ったあとにハイタッチをする御幸とA
今回はお互いに見えるように拳を高く挙げ
不安そうにしていたAの顔に徐々に笑顔が戻り始めた。
-おまけ Aが叫んだ時の鳴と樹-
鳴(え、Aってこんな声出た？一也ずるい！！)
樹(結構叫ぶんだ…Aちゃん…)
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作者名：ちあき | 作成日時：2020年7月28日 22時
