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A(ワンアウト満塁、アウト1つ取られたけどまだチャンスは残ってる)
A(頼みましたよ、ゾノ先輩)
打席には5番の前園
監督が前園と倉持に出した指示は…
"高めのボールは打ち上げないように気をつけろ"
"打球判断はお前に任せる"
"お前たち2人で点をとってこい"
A(雷市くんは予想のつかないピッチングをしてくる相手、チャンスの場面でしっかり得点をとらなきゃ…)
A(流れを完全に薬師に掴まれる)
打席に入り
バットを強く握りしめる前園
ここで流れを持っていけるかは前園にかかっていると言っても過言ではない
前園(らしくないこと言いやがって)
前園(チャンスで凡退していちいち謝っとったら俺はどれだけ頭下げなあかんねん)
先程の御幸とのやり取りで前園が感じたのは
みんなと同じ"らしくない"という気持ち
そしてこれをきっかけに倉持や白州、そしてAと同じように
前園(あのボケ、もしかして昨日のクロスプレーでどっか痛めとるんじゃ…?)
御幸の異変に気づき始める
前園だけでなく、他の部員たちも薄々と感じ始めていてもおかしくない。
倉持(転がせゾノ…!!)
倉持(転がせば絶対ホームに還ってやる!!)
5回の表 ワンアウト満塁
青道高校逆転のチャンス
注目の初球は大きく外れボール
三島「慌てんな雷市!!」
真田「ど真ん中でいいぞ!」
2球目はファール
ストレートしかないとはいえかなりコントロールが荒れている雷市の投げる球
全身の筋力を使って低く沈み込み投げ込んでくるだけに
高めはより浮き上がるように伸びてくる
前園(弱みを見せるようなやつやない、そんなこと分かってたはずやろ)
前園(どこまで鈍いんや俺は…!!)
─勝つことにはとことん貪欲でありたいと思います
思い出すのはキャプテンになったばかりの頃に御幸が最初に話した言葉
前園(あいつは最初からそう言っとったやないか)
─御幸にかかる負担は今まで以上に大きくなるんだ
─お前ら2人があいつを支えてやってくれないか
そして監督の言葉と衝突したあの時のこと
前園(その覚悟に気づいてやれんで何がサポートや、何が副キャプテンや!!)
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作者名:ちあき | 作成日時:2020年7月28日 22時