【◇】Starting Over

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暴投ならどうしようもないがそれ以外ならきっと御幸なら余程のことがない限り捕れる。

ノーアウトランナー1,2塁のこの状況はランナーを先に進めたいところ

打席には向井









向井(ど真ん中以外は無理にしなくていいよな)









向井がバントの構えでボールを当てて飛ばすが降谷が打球を捕りサードに送球し進塁阻止

3塁に進められなかったのは帝東にとっては痛手だが仕方ない

相手がストレートとの勝負を選び次の打者との勝負、1球目で降谷はスプリットを投げてきた









御幸(ワンバンなら絶対後ろに逸らさねぇ、思い切ってこい)









打者がボールを当てに行き、前ではなく後ろに打球が飛ぶが御幸がすぐにキャッチ

今のこれでツーアウト次アウトひとつ取ればスリーアウトだ









降谷(敵は雨じゃなく、己の中に─)









降谷が投げた球はしっかりと御幸の構えるミットの中へ

これで三振

ワンアウト1,2塁のピンチを無失点で抑え最後は力で捩じ伏せ








片岡「いい集中力だ、よく凌いだな」








ベンチに戻ると監督に珍しく褒められた降谷はほわほわとしたオーラを出して言葉にはしないものの喜んだ

次は打席からプレッシャーをかけてやろう、そう意気込んだ瞬間

アナウンスが会場中に響く









─ご覧のような天候のためただいま試合を中断しております

─再開までしばらくお待ちください









なんと試合が雨の影響で一時的に中断へ

中断になるのも無理はないくらいにグラウンドは最悪の状態、これじゃあまともに試合が出来なくなるのでしょうがない

そんな状況下の中投げ続けてる者が1人









狩場「おい沢村！いつまで投げてんだ！ものすごく目立ってんぞ！」

狩場「お前ほんとアピール上手なのな、見習うよマジで」









ブルペンで投げ続けていたのは栄純

こんな雨の中まだ小野に頼み込んでまで投げ続けているのだ

それを見た狩場はいつまで投げてるんだと声をかけに行くのだが栄純は…








栄純「アピールだけが目的じゃねぇ！！体動かしてねぇと…おさまんねぇんだよ…！！」









今回はアピールするためだけに投げ続けているわけじゃないと声を荒らげた

体を動かしていないときっと悔しさがおさまりきらないのだろう

またしても降谷は栄純よりひとつ上のステージへと上がってしまったのだから。

ボールを強く握りしめる左手がその証拠。

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