【◇】Starting Over

12 ページ13

こんな話なかなかないよね、と思いながら書いてます、、現実離れしすぎ…

.







「あなたに家に帰ってきてもらって16の誕生日を迎えたら、私が選んだ素敵な方と婚約してもらう」







そうだ、そういう家だった

決められたことを守り

決められた人と結婚して

自分の意志でなにかを決めることなく自分より目上の人の言うことに従う。

それを思い出した。









「この学校をやめて、女子校に通わせるか家庭教師をつけるか迷ってるのよ」







この学校をやめる

でしょうね、ということしか思わなかった

当然そう来るだろうとわかってた

わかってたはずなのに。









「嫌ですとは言わせないけど私も忙しいからね、少し期限をあげることになる」

「これ、退学届けと退部届け…まさかあなたがまだこういうことには未練がましくいたとは思わなかったけどね」








こういうこと、野球のことだ

本当はイップスになっても辞める気はそんなになかった

もう少し頑張ろうって思っていた

けれどこの家庭に引き取られてからそんなものはやめてしまえ、何の役にもたたないと言われ

自分でも驚くくらいあっさりとやめた。

それを今でも当然後悔している。









「結果が全て、それはどんなことでも同じ」

「あなたは賢いし顔も特別いいからきっとなんだって出来るし早くに結婚しても幸せになれる」

「ここにいるには勿体ないのよ、結果も何も出でない、時間を無駄にするだけの場所にいるのは気の毒」









結果が出ない、時間の無駄

全て無駄、続けて投げかけられる言葉

Aは怒りを感じていた。

そんなわけがあるものかと。









「とにかく退学届けと退部届けには本人であるあなたの名前が必要」

「頼んだわよ、また来るわ」







このまま終わってたまるかと心の中では思ってる

けど、言い出せない

こういう時に限っていつもの自分でいられないことに腹が立つ

何もかも、全てに腹が立って仕方ない。









A「待ってください、お祖母様」

A「私がなんで…ここに…青道高校にいるのがわかったのですか、私は…言ってなかったはずです」







こんな失態をするわけがない

言うわけがない

それなのに、どうして…








「簡単なことよ、この夏のことを考えれば」

「私は驚いたわ…あなたがあんな顔をして笑うなんて」

13→←11

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す