樹の恋 ページ12
【jr side】
「なぁ、まーふーさんよぉ。こーちとジェシーって、ホントに付き合ってんのかなぁ」
「なぁ〜んだお前。散々俺にアイツらの話して来るくせに。………………未だに、認めたくないのね」
今日は懐かしいメンバーで酒を飲んでいる。風磨、きょも、北斗、慎太郎。まぁ、この中に昔はジェシーもいたけれど、最近はこーちにべったりなので付き合いが悪い。
………その、ジェシーとこーち。その片割れのこーちは、俺の本命。
失恋した北斗を慰めるフリをして、こーちの背中を押すフリをして、ジェシーとこーちの仲をからかったりして。
1番未練がましいのは俺だ。
アイツに初めて会った時から、纏う空気感がすごく気に入っていた。居心地が良くて、甘えたくなる感じ。そんな彼の沼にずぶずぶにハマって、ポーカーフェイスはしているけれど、俺は誰よりも深い沼の中にいる。
彼は優しいだけじゃないんだ。儚さがあって、強さがあって、そして弱い。
それを感じたのは、2人で高架下のラーメンを食べに行った時だった。
俺だけに話してくれた、彼の過去の話。
彼は学生時代、親友だったプロ注目のサッカー部員が怪我をしていることにいち早く気づいて。
すぐさま監督に伝えたところ、その親友は次の試合にかけていた、と激怒して彼は突き放されてしまったのだという。
その後部員との関係も上手くいかなくなって、意地で続けていたサッカー部を辞めてしまったらしい。
『俺はそんなんだから、チームプレイとかきっと向いてないんだよ。それ以来、友達を作ることが少し怖い。』
そう苦笑して話したこーちを、俺は抱きしめたくなった。
俺が、ずっとそばに居る友達で居てやるから。……なんなら、それ以上の関係で。
言葉にできなかったそんな想いは儚く散った。
アイツには、俺よりも、北斗よりも、でけぇ心と図体で明るみに引っ張りあげていく存在がいる。
女の扱いにはそこそこ慣れている気でいた。自分の好きになった相手には上手く立ち回って、巧妙に堕とせる自負があった。
……………でも俺は、きっと本気で恋をしたことがなかったのだと気づいた。彼が人のものになってしまうと分かっていて、何も行動を起こせなかったから。
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ななみや(プロフ) - ちなさん» ちなさん、いつもありがとうございます♡最年長コンビ、ほんとに可愛いですよね〜!ちょっと不安だったのですが、ラブいただけて良かったです( ´-` )ライブ、行きたいですね〜!! (2022年11月18日 20時) (レス) id: 79361d6db2 (このIDを非表示/違反報告)
ちな(プロフ) - ふわふわ…ほのぼの…最年長コンビ、尊いですね!!マイナスイオンです。いつも私に萌えをありがとうございます♡ラブです^_^そしてリアルもこっちもライブがんばれ!ですね!行きたいですねー…。。。 (2022年11月18日 19時) (レス) id: 83fa992d20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななみや | 作成日時:2022年9月20日 0時