Rolling2 (ページ5)

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【tig side】

人生最大の大博打。
田中樹は京本大我のもの。彼の名前を初めて呼んで、俺のものだと言ってやった。

彼は相変わらずのどろどろふにゃふにゃの笑顔で俺の腰をゆるりと抱いた。

樹「きょも、かぁい〜〜……」

お前は俺の。そう言われて可愛いと思うなんて。こいつの可愛いの感覚は常人と120度くらいズレている。まぁ、でも、そんな所でさえだんだん愛おしく思えてきたのは完全に惚れた弱みだ。

樹「そうだねぇ、俺は京本大我のもの。一生きょものものだよぉ…」

そんな言葉を返してくれるのもまた初めてのことで。
自分の一生の相手が手に入ったと実感できて、俺は喜びのあまりそいつの耳をカプリと噛んだ。

樹「ちょお……待って、俺熱あるのぉ……」

そんなこと言って。全然抵抗する気無いだろ。

大「俺のものなんだから……好きにさせろよ」

樹「もぉ………きょもぉ……………好きだよぉ…………」

大「ふん………俺だけが？」

樹「俺はきょも以外を愛せないよぉ…………」

言ったな？なんかお前チャラいしモテるし、優しいし。俺のこと大好きなのは分かるけど、微妙に信用出来ないんだよ。
でも…………信じるからな。

大「…………俺も好きだよ。樹。」

樹「ふ………へへ、じゅりって言った。好きって言ったぁ…………」

大「ふふ、そりゃ言うでしょ。」

俺が唇を重ねると、熱い舌がぬるりと入り込んできた。
あぁ、この感覚。生々しくて、直接体温を感じられて。最高に気持ちいい。
俺も舌をゆっくりと時間をかけて絡め返して、長い長いキスをした。

樹「こっから先は………流石に俺、死んじゃうから…………」

はぁ、殺してやってもいいけどなぁ。

そのくらい樹との時間に溺れたい気分だったけど、流石に可哀想だったので布団を目元まで深く被せた。

早く良くなれ。そして俺にたくさん愛を注いでくれ。

お前はどうか分からないけど、俺はずっと愛に飢えていたんだよ。

少し辛そうな寝顔を眺めながら、彼との一生を想って幸福感に満たされた気持ちで眠りについた。

…………翌日。俺たちは2人して高熱を出した。