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ブゥウン……と渋いエンジン音が鳴った。



昨日の強風で落ちた桜の花びらが
息を吹き返したかのようにふわりと舞う。




「大我!行くぞ!」




バイクに乗って登場した彼はにかっと歯を見せて笑い、僕にヘルメットを投げた。




「お前は尾崎かよ」

「ばーか。盗んだバイク〜じゃねーから」




ノリツッコミをスルーして彼の後ろに跨ると、濃いガソリンの匂いと小気味良い振動が身体に伝わる。
掴まった彼の腰は細く、でも温かかった。







僕らは暫く喉が潰れる勢いで熱唱した。

題して平成桜メドレー

しゃがれた熱の籠った歌声は、路面に広がる桜の花びらと共に風に流されていく。

男臭いけど心はたまらなく爽やかで、気分がいい。




気づけば海沿いの道路を走っていた。

海釣り用の駐車場に高地はバイクを停め、2人並んでテトラポッドに腰を下ろす。


静かな海が、穏やかに波を立てている。
水面は春の陽に照らされ、銀色に光っていた。




「……去年も来たよな、ここ」

「あぁ、あの時は北斗も一緒だった」




3人で来た時の事を思い返す。
…あの時、僕は北斗と2人で話をした。




「…北斗、元気?」

「うん元気。しょっちゅー会ってる」

「なら良かった。…あいつ、お前がいないと息止まるらしいから」

「ふふっ、何それ」




そんな事ないよ、と高地が呟いた。




「それより大我、ゲームしよう」

「うん、何?」

「より綺麗な石を探してきた方が勝ち」

「はぁ、、?どこにあんだよ、石なんて」

「意外とあんだよ、原石みたいな石が。はい、スタート!」




思いのほか真剣な顔で高地が探し出したので、僕も真面目に探してみた。


案外石は見つかるもので、好みのものがあると子供のようにテンションが上がった。


しばらく僕は夢中になって石を探した。






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作者名:ななみや | 作成日時:2023年7月9日 18時

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